カナリア諸島ランサローテ島 (Lanzarote)

  ランサローテ島は、スペインのカナリア諸島の一つで、群島の中では4番目に大きな島です。ランサローテ島の特徴は、まるでSF映画のような景色が広がる火山地帯です。島全体が18世紀の大噴火によって流れた溶岩によって形成されていて、緑のないクレーターや溶岩石で埋め尽くされた大地は、地球とは思えない圧巻の光景です。真っ青な大西洋の海と、火山地帯が広がる島はユネスコ生物圏保護区に指定されていて、近年では高級リゾート地として、世界中のトラベラーから注目されています。  

<ティマンファヤ国立公園>

ティマンファヤ国立公園はランサローテ島で最も人気のある観光スポットで、毎年百万人もの人々がこの独特の溶岩風景の観光に訪れます。ランサローテ島では1730年から1736年にかけて50平方kmを超える100以上の火山が噴火し、島の4分の1もの面積を溶岩で覆われてしまいました。最後の噴火は1824年でしたが、降水量が少ないランサローテ島は噴火の直後とほぼ同じように見えます。 
噴火したままの形で広がる溶岩の大地や柱、赤く燃える山、遠くに見える海など自然の威力を一身に感じます。火山に囲まれた荒々しい開放的な空間で、火山噴火の地層や溶岩の大きな塊などを見ることができました。 

【地熱を使ったパフォーマンス】
ティマンファヤ国立公園では、実際にここ一帯の地域がどのくらい熱くなっているのかを見せるパフォーマンスを3種類見ました。
 
 
最初のパフォーマンスでは、実際に地面の土を触ってみて、熱いことを体験しました。右手と左手で交互に持たないとやけどをするくらい熱く、驚きました。 
穴の中に干し草を入れました。    干し草が燃え始めました。 
二つ目のパフォーマンスは、地面に空いた穴に干し草を投げ込みました。すると地熱によって干し草が燃え始めました。
     穴に水を注ぎ込みました。
三つ目のパフォーマンスは、間欠泉ショーです。地面に掘られた穴に水を注ぎこみました。すると爆発音とともに水蒸気が噴き出てきました。爆発音が大きく響き、見物客は驚いていました。 

 
レストランがありました。 
 
18世紀におこった大噴火によって形成された数々のクレーターや溶岩石で埋め尽くされた神秘的な大地の景色を目にすることがでました。まるで火星にでも来たような風景でした。多くの観光客が訪れ、、駐車場はバスや車であふれていました。 



<ワイナリー>(テ・ヘリア地区)
 ランサローテ島は火山の噴火によって出来上がった島です。さらに、1730年から6年間も続いたの噴火により、島はほぼ溶岩で覆われてしまいます。その、溶岩の広がる大地でも栽培ができるように工夫されたのが、ランサローテ島独特のブドウ栽培方法です。ラ・ヘリア地域ではワインの製造が盛んにおこなわれています。
ランサローテ島のブドウの栽培の仕方は、独特です。まず、溶岩で覆われた土地に、直径2メートルほどの丸い穴を掘っていきます。苗は、その穴の底に植えられており、ブドウはその穴の中で地面を這う様に育っていきます。その穴の淵に更に、溶岩を積み上げて風よけを作ります。そして、小さな溶岩で、全ての土を覆います。小さな溶岩はとても軽く通気性が良く、夜の間に溜まった霜の水分を土に流し込みます。人工的に水やりをしなくても地面にたまった夜露の水分を、ブドウが吸い上げて育っていきます。 
 
 
火山灰の広がる大地にぽっかりと浮かぶ穴が、火星のような、SF映画の舞台の様に見えます。これがブドウ畑なのです。栄養たっぷりの地面から吸い上げる水分で育つブドウは甘みがたっぷりで、黄金色の美味しいワインができあがります。  
 
2021年現在、ランサローテ島内には17件のワイナリーが存在します。大部分のワイナリーがラ・ヘリア地域に集まっています。試飲をしながら、ワインを買うことができます。

(2023.11.18撮影)
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