シディ・ブ・サイドSidi bou said

  首都チュニス近郊のシディ・ブ・サイドは、白と青に統一された、とても美しい街並みになっています。「チュニジアで一番美しい街」の一つとされていて、観光地あるいは高級別荘地としても多くのチュニジア人の憧れの街となっています。
  シディ・ブ・サイドが青と白の街になった理由は、20世紀初頭に青と白の邸宅を建てたロドルフ・デルランジェ男爵が、今後建てる家は、青と白以外の家を建てることを禁じたからです。その後、景観保護の政令によっても、無秩序な建物の建設が禁止され、青と白に統一されることとなりましたが、こういった規制はシディ・ブ・サイドが世界初であるとされています。
地中海の青い海、青い空が青と白の建物と合わさって素晴らしい景色を見ることができました。視線を遠くにやると、空と海は、無限の青のグラデーションを描き、その境目がわからないほどでした。
 
カフェ・シディ・シャバーンです。カフェ内部は至ってシンプルなつくりですが、テラス席から地中海の絶景を眺めることができます。
 ドアや窓、手すりなどはトルコ石を思わせるチュニジアンブルーに塗られています。青い空や海と調和する、美しい町並みです。異国情緒あふれる細工や模様にも目を奪われます。
 
イスラムの香りがする独特の幾何学模様は、チュニジアン・ドアと呼ばれているそう。どのドアも少しずつデザインが異なります。青と白だけではなく、ブーゲンビリアのピンクや木々のグリーンが南国の街に色を添えています。 
 さほど大きくない街の目抜き通りは、入り口のロータリーから丘の上まで急な坂が続く「ハビブ・タムール通り」です。後ろを振り返れば、青と白の街並を見渡すことができます。両側には、美しい色と模様の食器や小物などを扱うお土産物屋や、カフェが並んでいて観光客で賑わっていました。
 
チュニジアに多い鉄鋲(モスマール)で飾られた青い扉も、とても素敵です。モスマールの模様は家によって違い、魔よけの意味もあります。
個人の別荘や、邸宅を改装したブティックホテルなどとして利用されている建物が多く、窓枠やアラブ風の扉は青で統一されています。壁は白一色に塗られ、青が引き立ちます。
メインストリートを歩いていくと、ちょうど中心部にあたる場所に「カフェ・ド・ナット」がありました。外観は、シディ・ブ・サイドの青と白ですが、内部はエキゾチックでなカフェです。靴を脱いで、ゴザの上で人々はお茶を飲みながら、くつろぐことができます。
 
「カフェ・デ・ナット」のナットとは“ゴザ”という意味です。カフェの内部には、店名通りにゴザが敷かれていますが、日本の畳のようなイグサそのままのゴザではなく、カラフルに色付けされ、さらに模様がでるように織り込まれています。熱いミントティーがとても美味しかったです。強い日差しが降り注ぐチュニジアですが、カフェの内部に入ればひんやりとした空気で、至福のひとときを味わうことができました。
チュニジアンブルーと、アフリカの強い光がキラキラと反射する真っ白な壁が映える美しい街並みは花がよく映えます。  
 
シディ・ブ・サイドの名前の由来は、一説によると、1270年にフランス国王であるルイ9世が、「ブ・サイド」と名前を変え、余生をこの地で暮らし、やがて「聖人(シディ)」となったといわれています。
青と白の街は、ギリシャのサントリーニ島「イア」などにもありますが、イアの街が南欧らしい雰囲気なのに対して、シディ・ブ・サイドはアラビアン・テイストが感じられ、複雑なニュアンスを醸し出しています。 
 眩しいほどに白い壁と、それに映えるチュニジアンブルーの色使いが素敵です。街自体が丘の上にあり、そこから眺める地中海もまさに絶景です。チュニジアに行くなら、是非とも訪れたい街です。
 
デーツ店「Deyma」 
 
モスク 購入したデーツ(ナツメヤシ) 
デーツ店「Deyma」に行きました。デーツは、中近東から北アフリカの乾燥地帯に生育するナツメヤシの実です。通常は干した実を食べることが多く、この一帯では、7~8000年も前から食用にされていました。栄養価が高いため、デーツとラクダの乳があれば、砂漠の旅を何日も続けられるといいます。

(2024.5.14)
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