マトマタMatmata

  チュニジア南部のマトマタはチュニジ南部の先住民のベルベル人が住んでいる住居地で、アラブ民族に追われて穴を掘り特有な住居形態を作っています。スターウォーズのロケ地にもなったので有名になった住居もあります。 

<ホテル・シディ・ドリス>

マトマタは、映画「スター・ウォーズ」シリーズのロケ地でもあります。洞窟住居を利用し、ジョージ・ルーカス監督によって制作されたのが映画「スター・ウォーズ」です。最初の作品「スター・ウォーズ、エピソード4」を始め、後の「スター・ウォーズ、エピソード2」でもロケに使われ、現在は観光名所になっています。
ルーク・スカイウォーカーの家として登場した住居は、現在はホテル・シディ・ドリスとして営業しています。ホテルのフロントの壁には「スター・ウォーズ」にちなんだ写真があり、部屋の様子は宿泊者でなくても、中を見学することができます。  
 
 
洞窟を利用したレストランもあり、昼食をとりました。 
大勢の観光客で賑わっていました。 
ロケに使われたホテル・シディ・イドリスは元々バックパッカー用のホテルで、現在でも宿泊可能です。 
 
 映画に使われたシーンの写真なども展示されていますが、通路の壁面にもR2-D2、ストームトルーパー、ダース・ベイダーなどの人気キャラクターが描かれています。
 
 
このホテルは主人公であるルーク・スカイウォーカーの故郷タトゥイーン星にある彼の家として撮影に使われ、食事シーンで用いられた食堂や異星人の集まるバーなど、ホテル内には各所にロケで使われた場所が見られます。  
 中庭には撮影当時使われたセットがそのまま残され、その時のシーンを思い浮かべると、より一層感激も深まります。
 
ホテル入口には大きくスター・ウォーズの文字が描かれ、ポスターも貼ってあり、映画ファンには堪らない場所です。



<ベルベル人の穴倉式住居>

 マトマタには北アフリカの先住民であるベルベル人の洞窟住居が点在していますが、これらは彼らがアラブ勢力に追われてこの地に辿り着き、敵の目をごまかす為に造ったのが始まりで、現在も約90戸が居住中です。
住居への出入りとして丘陵地の側面に穴を掘り、そのトンネルが中庭や他の部屋へと繋がっています。外から見ると穴が開いているだけでとても住居があるとはわかりません。家の前には井戸もあります。夏は日差しを避け、冬は保温性に優れた穴住居ですが、中庭には直射日光が照りつけます。外への開口部を作って、テントを張っている家もあります。
洞窟住居を訪問しました。ここが入口です。 
 
上から見た洞窟住居  訪問した住居の夫婦 
現在もベルベル人が生活をしている洞窟住居です。この住居の構造は、まず地面に巨大な穴を掘り、その側面にいくつもの穴が掘られています。中央の穴は広場や中庭として使用され、側面の穴は寝室やリビング、キッチン、倉庫など、穴ごとにそれぞれの目的に合わせて使用。そのため周囲からはここに家がある事は判らず、敵の目をごまかし、身を隠す事が出来たのです。
中央の穴は広場や中庭として使用され、人々が作業をしたり、集ったりする場になっています。側面の穴は個室としてそれぞれ使用されています。入口の上には厄除けといわれる魚、ファテイマの手といわれるものが描かれています。
 
ミントティーをいただきました。 
 
娘さんの個室と思われます。  息子さんの個室と思われます。 
 この洞窟住居は一見住みにくそうですが、この地方は年間降雨量が300mmという乾燥地帯。急激な気候変化や強い日差しがあるものの、地下の穴はそれらを避けるには都合が良く、夏はひんやりと涼しく、冬も保温性に優れていて温度が下がらず温かです。
 
深さ7~8メートルもある穴。巨大な穴の側面にまたいくつもの小さな穴があり、そこは個室になっています。この不思議な住居は、12~13世紀頃、ベルベル人によって造られました。チュニジアのマトマタには、こうした穴居住宅がいくつもあります。アラブ民族から避難するため、遠目には村など何もないように見せるためでした。 

(2024.5.12)
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