ケロアンKairouan

  チュニジアの中部にあるケルアンは、670年に建造され、アグラブ朝(9世紀)、ファティマ朝(10世紀)、ジール朝(11世紀)と歴代アラブ王朝の首都として栄えました。12世紀以降、チュニスに首都機能が移された後でも聖地であり続け、斑岩の柱と大理石などが使用されている大モスクを中心に旧市街の保存状態は良好です。イスラム世界、特にスンニ派にとってはメッカ、メディナ、エルサレムに次いで4番目に重要な聖都です。 


<グランド・モスク>

グランド モスクは、アフリカ最古のモスクと言われています。672年にアラブの司令官であるウクバイブンナフィにより建てられました。
モスクは長さは135m、幅80mのエリアを囲み、中庭の北側に高さ約35mの巨大な3階建てのミナレットがあります。 イスラム教徒以外は礼拝堂に入ることは出来ませんが、外から見ることはできました。
 
中庭の周りには、約400本の古代の柱を含む、美しい馬蹄形のアーチ型の柱廊玄関があります。 
建物の回廊はローマやビザンチン遺跡から流用された列柱を取り入れた複合的な建築が見られる貴重なものです。
 
ホールはシャンデリアで照らされています。床と柱の基部が絨毯で覆われていて、柔らかな印象です。
グランドモスクの隣に墓地がありました。
グランドモスクの前は土産物店で賑わっていました。
 
ケロアンの旧市街地は北アフリカのイスラム教の拠点となってきた場所です。今はたくさんの店で賑わい下町っぽさも残すなか、美しい建物も並び散策が楽しめる街になっています。チュニジアンブルーの扉がきれいでした。


<シディ・サハブ霊廟>

シディ サハブ霊廟は、グランドモスクの西側に位置します。名前の由来は、シディ=聖、サハブ=友人といった意味からです。預言者として知られたムハンマドの友人、アブ・ザマエル・ヴェラウィ(ムハンマドの床屋)を埋葬しています。彼はいつもムハンマドの顎ひげを持ち歩いていたというエピソードを持ちます。
シディ・サバブ霊廟は、7世紀に建てられ、北アフリカで最も美しい霊廟です。
 
シディ サハブ霊廟は、白い漆喰の透かし掘りと、アンダール様式のタイルを使ったモザイクが大変美しく、アラベスク模様が天井から壁、床までをもおおう素敵な場所です。
 鮮やかなタイル張はオスマントルコ文化の影響を受けています。
 
棺がありました。 
 
シディ サハブ霊廟入口    

<アグラブ朝の貯水池>
アグラブ朝貯水池は、ケロアンに造られた貯水池で、今も市民の貴重な水源とされています。9世紀アグラブ朝時代、中世世界の最高技術で造られました。当時は大小2つが1セットとなり、7セット14個の貯水池がありましたが、今は2セットが残るのみです。大きさは深さ5mと7mの池です。
貯水池の水はケロアンの西36kmにある丘の上から水道で運ばれて、最初に小型の上水用貯水池に入り、そのあと大型貯水池へ流される仕組みです。
 
 
   googlemapより
 観光案内所の屋上から見ると貯水池を見渡すことができます。
 
観光案内所   

(2024 .5.11撮影)
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