ポストイナ鍾乳洞
ポストイナ鍾乳洞は、スロベニア南西部にあるヨーロッパ最大の規模を誇る鍾乳洞です。総延長は20km以上あります。近くを流れるピウカ川の地下水流が200万年もの間に徐々にカルストを侵食して形成されたもので、その存在自体は古くから知られていたものの、洞窟の全貌が明らかになったのは1818年のことです。1872年には世界初の洞窟探検用の鉄道が敷設され、現在は3.5キロの区間で観光用のトロッコが運行されています。
【鍾乳洞入口】
スロベニアは、世界で初めて鍾乳洞を観光資源として活用した国ではないかと言われています。。1819年にハプスブルク家の当時の皇帝を案内したのを皮切りに、ポストイナは150年に渡る観光史上の中で、既に4千万人近くの観光客を迎えて来ました。ポストイナ鍾乳洞はスロベニアを代表する観光地のため毎年多くの人が訪れます。 |
|
|
ポストイナ鍾乳洞入口 |
まずトロッコ列車に乗り込んで洞窟の奥深くへ進むことからスタートします。岩壁すれすれを時速約11キロのスピードで颯爽と進むトロッコ列車はスリル満点です。 |
![]() |
トロッコ列車に乗って3キロあまりを走ります。トロッコ列車は鍾乳洞の中を進むので鍾乳洞の迫力ある写真を撮ろうと乗客は必死です。列車に乗車する5分間はあっという間に過ぎます。 |
トロッコ列車は屋根がついておらず、速度が肌で感じられます。その上、鍾乳洞との天井ぎりぎりの空間を走ったり時々ヒヤッとさせられるので、まるで遊園地のアトラクションのようです。 |
![]() |
【鍾乳洞徒歩探検】
トロッコ列車を降りると、徒歩での鍾乳洞探検が始まります。1.5キロほどを徒歩で順路に沿って回っていきます。音声ガイドを片手に、神秘的な空間を歩いて巡ります。 音声ガイドは日本語にも対応しています。 |
スロベニアの国土の約半分は、石灰岩で形成された「カルスト地形」に覆われています。この地形が、長い年月をかけて雨水などによって溶かされ、浸食されることで、スロベニア国内には数多くの鍾乳洞があります。スロベニアは、欧州一番といっていい鍾乳洞大国です。確認されているだけでも大小1万以上の洞窟があるといいます。その中で、最も有名なのがポストイナ鍾乳洞です。 |
鍾乳洞の元は石灰岩で、これが何万年もの歳月のうちに地下水などによってゆっくりと溶かされ、洞窟になります。ポストイナ鍾乳洞は約24キロの長さがあり、欧州で他にほぼ類を見ません。現在、観光客に開放されているのはそのうち約5キロです。 |
ポストイナ鍾乳洞はひとつの鍾乳洞の中でたくさんの種類豊富な鍾乳石が見られることから「鍾乳洞の女王」と称えられています。見たこともないような巨大なものや、変わった形の鍾乳石が並んでおり、目を奪われます。 |
鍾乳洞のなかでも特徴的なものや珍しいものには、その形状などにちなんで「スパゲッティ」、「カーテン」、「ザ・ジャイアント」など名前がつけられています。 |
ポストイナ鍾乳洞内は1年を通して気温が8度~10度と、ひんやり肌寒いため夏でもジャケットが必需品です。 |
鍾乳石が1mm成長するのに、10年から30年もかかります。1滴1滴、何百万年以上という途方もない時間をかけて造り上げられたのです。まさに地球が生み出した神秘の光景です。 |
鍾乳石は上から地面に向かって成長するのに対して、石筍は地面から上方に成長します。そして、この2つがつがなると石柱になります。最も白い鍾乳石は、「ブリリアント」と呼ばれ、ポストイナ鍾乳洞のシンボルになっています。 |
高さ40メートル、その広々とした形から「コンサート・ホール」と名付けられた空間もあります。音響効果も抜群で、約千人の観客を収容し、実際にコンサートとして使用されることもあります。徒歩探検をした後、再びトロッコ列車に乗り、地上へ戻ります。 |
(2025.5.31撮影)
HOME