ブレッド湖

  ブレッド湖は、スロベニア北西部のユリアン・アルプスに囲まれた氷河湖で、「アルプスの瞳」とも呼ばれる美しい青い湖です。エメラルドグリーンの湖と湖に浮かぶ小島の教会、湖畔の古城が織り成す景観は、「アルプスの瞳」とも称されるにふさわしい目を見張る絶景です。
ブレッド湖の歴史は古く、ハプスブルク家の夏の保養地でもありました。ヨーロッパ有数の別荘地としても愛され、セルビアの王族やハプスブルク家など、時の権力者たちも多く訪れていました。1860年にはスイス人医師が保養地を作り、日光浴や体操、泥パックなどの指導を行ったという歴史があります。   
白鳥の親子が気持ちよさそうに泳いでいました。ブレッド湖の大きさは東西2120m、南北1380m、そして周囲約6km程度です。湖の周りにはグルリと1周できる遊歩道があり、ゆっくり歩いて2時間程度で1周できます。  
 
湖畔からブレッド島とブレッド城が見えました。  可愛い白鳥の赤ちゃん   
湖畔には人口約8,000人の町があり、オーストラリア、イタリアとの国境に近いことから、17世紀にはすでに観光地として人々から人気がありました。  

【ブレッド島】

ブレッド島は、スロベニア唯一の島として、ブレッド湖の中心に浮かぶ島です。澄んだ水にはマスやウナギ、ナマズやコイなど20種類以上の魚が生息しています。  
レッド島には白い教会が建っていて絵になる風景です。島へは「プレトナ船」という20人ほどが乗ることができる昔ながらの手漕ぎボートで約10分かけて渡ることができます。 
 
プレトナ船の漕ぎ手である船頭の仕事は、父から子へ、代々受け継がれている職業で、ブレッドでも限られた人しか就くことができません。エンジンを使わないので、環境にも優しいです。
 
プレトナ船は1590年頃に運用されはじめ、1740年にハプスブルク家の女帝マリア・テレジアが、ブレッド湖の南側にあるムリノという貧しい土地の22世帯に独占的な営業権を認めました。現在も脈々と受け継がれていて、船頭さんは全て22世帯の子孫になります。 人数が集まったら出発という乗り合いバスシステムです。
 
ブレッド島に着くとすぐに聖マリア教会に向かう99段の階段があります。聖マリア教会は、現在は結婚式場として人気があり、ここで式を挙げる際は花婿が花嫁を抱きかかえたまま階段を一気に登らなければなりません。その数なんと99段。そのため、挙式が決まると花婿はジムへ通い、花嫁はダイエットに励むそうです。 
島の周りは水辺のレジャーを楽しむことができます。この日は暑かったので泳いでいる人もいました。 
 
水がとても澄んでいるので、ボートがまるで空中に浮いているように見えました。

【聖マリア教会】(聖母被昇天教会)
ブレッド湖のシンボルといえば、湖にぽつんと浮かぶ島に建つ聖マリア教会です。8~9世紀頃に建てられたと言われ、17世紀にバロック様式に改築されました。
 
教会には“鳴らすと願いが叶う”と言い伝えられる鐘があります。伝説によると、この鐘をしっかり3 回鳴らすことができれば、願い事が叶う言われています。今でもこの伝説を聞きつけて、たくさんの旅行者が聖マリア教会を訪れます。  

【ブレッド城】

ブレッド城は、ブレッド湖畔の高さ約130mの崖にそびえています。スロベニア最古の城の1つに数えられている古城です。城の歴史は、11世紀初頭に遡り、現在の建物の多くは16~17世紀のものです。 
写真左の湖面から約130mの崖の上に建っているのがブレッド城です。1004年に完成したこの城を、当時この辺りを治めていたドイツ皇帝ハインリヒ2世は、現北イタリアにあるブリクセンの司教に与え、防衛に当たらせていました。16世紀初頭に起こった大地震で深刻な損害を受け、現在の姿に再建されています。


【ブレッド湖展望ハイキング】

ブレッド湖の展望台は、Ojstrica展望台とMala Ojstrica展望台の2箇所あります。Ojstrica展望台にハイキングに出かけました。南の湖沿いから山道に入って30分ほど進みます。山道を上っていき、傾斜が掛かった、ごつごつした岩がある山道を進み、最後の5分はかなりハードな山登りになりますが、展望台から絶景を見ると疲れが吹っ飛びます。
山道を登って展望スポットに到着しました。展望スポットから素晴らしいブレッド湖の風景を見ることができ、感動的でした。ブレッド島は遠くから見ると湖の中に浮かんでいるように見えます。 
 
  山道を登りました。 

(2025.6.1撮影)
HOME