ヴァレッタValletta

  ヴァレッタはマルタ共和国の首都で、町全体が世界遺産です。1565年のオスマントルコ軍との戦いマルタ大包囲戦の経験から、難攻不落の都市となるよう設計され建設されました。完成は1571年です。ヴァレッタは当時の騎士団長であり、町の完成につくしたジャン・パリゾ・ド・ラ・ヴァレットからきています。マルタを守った聖ヨハネ騎士団(のちのマルタ騎士団)の騎士団長によって築かれた城塞都市は丈夫な要塞と城壁に守られています。
シティーゲート 
要塞と城壁に囲まれたヴァレッタの街へはシティーゲートを通ります。要塞都市の入口らしい頑丈な造りになっています。 
右が国会議事堂 
シティーゲートを通りの城壁内に入ると、右に国会議事堂があり、ここからまっすぐメインストリートであるリパブリックストリートが続いていきます。ヴァレッタは小さな半島のようになっていて、バスターミナルから半島の先、聖エルモ砦までまっすぐリパブリックストリートが通っています。リパブリックストリートには、銀行や図書館、博物館があるほか、お土産店やカフェなどが並び、ブランドショッピングができる賑わう通りです。 
 
首相官邸(旧カスティーリャ騎士館)  ヴァレットの銅像 
カスティーリャ騎士館は、1744年にカスティーリャ王国(スペイン)騎士団の宿舎として建設されました。現在はマルタ首相官邸です。
右がロイヤル・オペラ・ハウスの廃墟 
右側にあるのは、ロイヤルオペラハウスですが、第二次世界大戦中に爆撃されたまま今も修復されず戦争の悲惨さを残しています。
 
聖母ヴィクトリア教会  城壁 
聖母ヴィクトリア教会は、ヴァレッタの街が築かれた当時に建設された町一番の古さを誇る教会です。
ヴァレッタは要塞都市として造られたので、敵が侵入してきても容易に街に攻め込めないように、街の周りは頑丈な城壁があります。
聖カテリーナ教会 
1565年に聖ヨハネ騎士団が新都市建設を決め、その場所に選ばれたのがヴァレッタになり、これ以降街は要塞化していきます。マルタの街は曲がりくねった道や細い通りが多いのですが、ヴァレッタは計画的に作られたため、その他の地域と違い格子状に通りが作られました。 
 
 
国立考古学博物館 
国立考古学博物館は16世紀マルタ騎士団のプロヴァンス地方出身者の宿舎を利用して建設されました。
紀元前5200-2500年のマルタ考古学上とても貴重な遺跡を展示している博物館です。中でもマルタヴィーナスは未だに多くの謎に包まれている地下神殿ハイポジュームから発見された大変貴重な女体の形をした遺跡です。
聖ヨハネ大聖堂の会堂 
聖ヨハネ大聖堂は1577年、騎士団がその名前を冠したキリストの洗礼者聖ヨハネを称えるために建てた大聖堂です。会堂の側面は騎士団を構成する八つのグループのそれぞれの礼拝堂があり、正面には主祭壇があります。現在もローマで赤十字活動を続けているマルタ騎士団の起源でもあるヨハネ騎士団が、教会や信徒を守る戦いの合間に、この聖堂で祈りを捧げていました。
 
聖ヨハネ大聖堂の正面  2階から見た会堂 
外から見ると石灰岩でできた質素でシンプルな建物ですが、中はバロック様式の豪華絢爛さが特徴の聖ヨハネ大聖堂です。会堂の床は騎士たちの墓所となっています。畳一畳よりやや小さめの大理石の板が敷かれていて(その数約400)、そこにラテン語で墓碑銘や絵が描かれています。天井には、騎士団長やマルタ十字架、聖ヨハネの生涯が描かれ、地下には、歴代の騎士団長の棺があります。  
聖ヨハネ大聖堂美術館のカラヴァッジォの傑作「聖ヨハネの斬首」 
主聖堂に付属する美術館では、ローマで活躍した画家カラヴァッジォが残した作品数点が展示されています。カラヴァッジォは生来の乱暴な気質で殺人を犯し、追放を逃れてマルタ騎士団を頼り来島しました。「聖ヨハネの斬首」はその中でも特に有名であり、唯一カラヴァッジォが流した血湖でサインを作品の右下に残しています。 
アッパーバラッカガーデン 
アッパーバラッカガーデンは17世紀半ばマルタ騎士団員だったバルビアニ(イタリア人)が、イタリアの騎士団の為に造ったものです。地中海随一といわれる良港グランドハーバーを見下す展望デッキがある公園です。 
 
アッパーバラッカガーデンの展望台から、ヴァレッタの城壁とその先にローワー・バラッカ・ガーデンが見えました。素晴らしい景色です。街を端は海です。海に対する要塞になっていることがよくわかります。
アッパーバラッカガーデンの展望台から、クルーズ船が往来するグランドハーバー、マルタ騎士団が最初に築いた3つの街、スリーシティーズ(ヴィットリオーザ、セングレア、コスピークワ)、造船所などが一望できました。ヴァレッタから見たスリーシティーズのあたりは非常に複雑に海が入り組んだ場所です。横から指を二本突き出したような小さな2つの半島にスリーシティーズは築かれています。左側にヴィットリオーザ、右側にセングレア、そして指の付け根の両者をつなぐ部分がコスピークワです。公園の下方には、500年の歴史がある礼砲隊の大砲が見えました。毎日正午と午後4時にハーバーに向かって空砲が発射されます。
 
マルタ島を歩くと細くて急な坂道の両側に出窓がたくさん見られます。木製の出窓が多く、赤・青・緑・黄とカラフルです。建物の建材はマルタで産出する石灰岩、マルタストーン が使われていて壁は穏やかなハチミツ色です。
 
騎士団長の宮殿 
騎士団長の宮殿は、騎士団長ピエトロ・デル・モンテの命令により、建築家ジェラーロモ・カッサール(聖ヨハネ大聖堂の設計も手掛ける)が手掛けた宮殿です。現在は大統領府と議会として使用されていますが、当時、騎士団長がここから騎士団を統率しました。今回は修復工事のため内部の見学はできませんでしたが、通路から中庭を少し眺めました。 
セントジョージ広場 
セントジョージ広場では、春になるとグリーンフェスティバルが開かれ、色とりどりのフラワーアレンジメントが楽しめます。 
セングレアの監視塔から見たヴァレッタの町です。左側にアッパーバラッカガーデン、右側にローワー・バラッカ・ガーデンが見えました。   
ローワー・バラッカ・ガーデン 

(2023.9.25撮影)
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