龍王山

  龍王山は、奈良県天理市にある山で、山頂には南城と北城で1つの城とする、別城一郭という珍しい城塁跡を残しています。山頂の竜王城は、戦国時代、筒井氏・越智氏・箸尾氏と並んで大和四家に数えられた大名十市氏の築いた壮大な山城です。十市氏は松永久秀との戦で破れて松永氏の居城となりました。その後に、松永氏は織田信長に敗れて廃城となっています。山名は山頂西側にある雨乞いの祭神・田竜王神社から由来しています。
 今回は、長岳寺駐車場から登り、北城跡、南城跡へ到達し、龍王山古墳群へ下山するというルートでまわりました。


<長岳寺~北城跡・南城跡分岐点>

   
長岳寺     
   
あぜ道を進みます。  これから登る龍王山が見えます。 
   
登山道に入ると急坂が続きます。所々に階段もあります。  

<北城跡>

北城は、天文年間(1532~55)十市遠忠が築いたと伝えられ、十市城とも呼ばれます。 
   
   
北城本丸跡   
   
北城跡からの展望。奈良盆地が一望できます。  
   
馬池・竪堀・曲輪跡が点在し、石垣の跡も確認できます。本丸の周囲には土塁が残ります。
<南城跡、龍王山山頂>
 北城跡から分岐点に戻り、南城跡を目指します。南城本丸跡が龍王山山頂(586m)です。
   
  龍王社 
   
  南城本丸跡   
   
山頂からは、大和三山や金剛・生駒山脈などを一望できます。
   
金剛山、大和三山(天香具山、畝傍山、耳成山)や古墳を見ることができます。  
   
晴れた日には、明石海峡大橋も見ることができます。
   
    山の辺の道 

【龍王山古墳群】
龍王山古墳群は、崇神陵と景行陵の間から龍王山に至る谷筋に沿ってある我が国最大級の群集墳です。約600基が確認されていますが、埋没古墳も多く1000基以上の可能性もあります。古墳は大別して横穴式石室タイプと崖に掘り込んだ横穴墓に分けられそれぞれ300基以上あります。古墳群の形成は6世紀前半にはじまり、当初は横穴式石室タイプが作られ、6世紀後半になると横穴が増え7世紀前半にはピークを迎えます。
<崇神天皇陵>
崇神天皇陵は、全長242mの巨大前方後円墳で、築造は4世紀前半です。第10代の崇神天皇は、大和政権の初代大王ともいわれ、堂々とした陵墓は、相当な権力を手中に収めたことを想像させます。 地域の名を取って「行燈山(あんどんやま)古墳」とも呼ばれています。 

   

   
   
   

<黒塚古墳>
黒塚古墳は、全長約130m、後円部径約72m、後円部の高さ約11m、前方部の高さ約6mの前方後円墳で、築造された時期は4世紀初頭(古墳時代前期初頭)と考えられています。この古墳は、盗難をまぬがれ、石室、鏡などの副葬品もほぼ完全な状態で残っていました。
   
(2016.1.9撮影)