角館

  深い木立と重厚な武家屋敷が今もなお,藩政時代の面影を残す角館は,みちのくの小京都と呼ぶにふさわしい風情を町全体に漂わせた桜の名所です。豊かな仙北平野の北部に位置し,清流玉川と桧木内川に沿い,三方は山々に囲まれた地形は,城下町を形成するにはもっとも適した場所でもありました。北側に位置する武家町は,深い木立が覆い,一方南の商人町は,町並みがびっしりと埋まって対照をなしており,藩政時代の町割りが380年余りたった今でも,大きく変わらずにそのまま残っています。
    
 
青柳家の屋敷は,広い表間口に薬医門,道沿いにめぐらせた武者窓(のぞき窓)のついた黒塗りの簓子下見塀が特徴の,格式ある造りになっています。 
    
 
    
 
石黒家は,母屋は萱葺きで庭に築山,巨岩,樅の大木,東屋があり,武家の格式を示しながら簡素なたたずまいを呈しています。道路面にはのぞき窓をつけた黒板塀がめぐり,現存する武家屋敷の中で,最も格式が高く古い屋敷です。 
    
 
    
 
岩橋家の屋敷は江戸時代末期に改造,屋根も萱葺きから木羽葺きに変えられ現在の形になりました。角館の中級武士の屋敷として間取りなど典型的な形をのこしています。 
    
 
    
 

(2008.10.12撮影)
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