石廊崎

  伊豆半島の南端に位置し、相模灘から駿河湾への入口となっているのが、石廊崎です。石廊崎は相模湾と日本一深い湾といわれている駿河湾の境目に位置しています。年間の3分の1は、風速10mを超す日々となるこの石廊崎は、戦前から測候所が置かれていた場所であり、古くから気象観測の要所とされてきました。  
石廊崎先端の岩の裏に熊野神社の祠があります。 
石廊崎に一面に広がるごつごつした岩は、海底に噴出した溶岩流です。溶岩が水中に噴出し、水によって急激に冷やされ、ばりばりに砕けた岩片の集合になりました。海底火山の大規模な噴火で大量の溶岩が海底に流れ広がった様子が想像できます。岬先端への道は狭く、断崖の中を進まなければなりません。強風にあおられると少し恐怖すら感じますが、雄大な海と幻想的な島々を拝むことができます。手すりがあっても崖の高さと波の荒々しさに自然の雄大さを感じます。
 
石室神社 
 
熊野神社  石室神社の鳥居 
岬には縁結びのご利益で名高い熊野神社があります。ここは恋人達には言わずと知れたパワースポットで、海に囲まれた開放的な景色の中で願いを込めれば、どんな願いも叶いそうな気持ちになります。  
   
 
石室神社の拝殿内部  石室神社 
石廊崎の崖には蜂の巣のようにたくさんの窪みがあり、石室(いろう)神社はこの窪みを利用して作られています。石室神社は切り立った断崖の中腹の壁にめり込むようにある奇怪な神社で、海上守護の神様で、船の帆柱の上に社殿がつくられたという伊豆七不思議の一つにもなっています。 
南伊豆から西伊豆の海岸沿いは独特の地形が続いていて、切り立った崖岩が多く見られます。岬の先端が激浪に浸蝕されて海中に群立しています。波に浸食された数個の集塊岩が海上に剣を立てたように直立して連なっていました。 
 
 
熊野神社が建つ展望スポットからは、天候によっては、「神子元島」(みこもとしま)や、遠く「大島」「利島」「新島」などの伊豆七島が見渡せます。  
石廊埼灯台 
白い灯台「石廊埼灯台」は、「日本の灯台50選」にも選定されている高さ約11mの灯台で、1871(明治4)年に、"灯台の父"と呼ばれるイギリスの建築士ブラントンの設計により建てられました。当初は木造灯台でしたが、暴風により大破し、1933(昭和8)年にコンクリート造に改築され、1993(平成5)年に白タイルが貼られ、現在の姿になりました。美しい白亜の灯台と海との姿を一緒に写真に納めることができました。 
 
 

(2023.2.28撮影)
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