車山高原

  日本百名山霧ヶ峰の主峰車山は、標高1,950mで、日本有数の展望スポットでです。山頂までリフトが運行していてグリーンシーズンは気軽に高山植物や展望を楽しむことができます。冬にはスキー、スノーボードなどのウィンタースポーツと、一年を通してさまざまな魅力を味わうことができます。
車山高原には霧ヶ峰最高峰である車山山頂を中心に、初心者から上級者まで様々なルートを楽しむことができるハイキングコースがあります。今回は、車山外周コースを歩きました。車山スカイプラザから山頂へリフト2本を乗り継ぎ(スカイライナー6分、スカイパノラマ8分)、山頂から車山肩まで下りました。車山肩からは、車山山頂をぐるっと回るように車山湿原の中を車山乗越まで向かい、スカイライナーリフト乗降口まで歩き、そこからリフトで下り、車山スカイプラザに戻りました。 
 車山高原スカイパークホテルから見上げた車山
車山高原は、車山(1925m)を主峰とし、鉄平石に代表される安山岩の活動によって台地が形成され、さらに何回かの火山活動の溶岩でいっそう平坦なアスピーテ型(盾状)火山のような形をとっています。 霧ヶ峰・蝶々深山・白樺湖によって囲まれた火山高原で、車山の稜線とゆるやかに伸びる丘陵、そして比較的急な斜面から形成された林や川なども加わって、 変化に富んでいます。
   
 
標高1,925mの車山山頂まで、2本の4人乗りリフトを乗り継いで約15分です。上りは高原 風景を楽しみながら、下りは眼下の白樺湖・蓼科山などを見渡す雄大なパノラマを満喫できます。
白樺湖が見えました。 
 
スカイテラス 
 
額縁の中に八ヶ岳を入れて写真が撮れました。  蓼科山が見えました。 
この車山に2020年12月12日にオープンしたスカイテラスは、八ヶ岳、富士山、南アルプスが一望できる南斜面から突き出すように設置されており、先端に立てば空に浮かぶような感覚が味わえます。 
山頂の車山気象レーダー観測所とスカイテラス、その間に蓼科山が見えました。 
車山気象レーダー観測所は、建物上部には丸いドームがあり、この中には、直径4メートルのパラボラアンテナが収められています。 このアンテナを回転させながら電波を発射し、全方向にわたる雨や雪によってはね返ってきた電波(反射波)を測定することで、 広い範囲の雨や雪の強さ・移動などを時々刻々と観測しています。 
    
 
車山山頂(標高1,925m)   
車山山頂は360°のパノラマビューを楽しめる景観スポットです。 
八ヶ岳連峰が見えました。
 
車山神社 
霧ヶ峰の最高峰 車山(1925m)の山頂に車山神社が鎮座します。昭和の初め霧ヶ峰のカボッチョ山にスキージャンプ台が設置されるにあたり地元の茅野市北大塩区によって「スキー神社」が建立され山の神である「大山祇命」が祀られました。その後、スキー場の主流が車山に移動するのに際し、神社は車山山頂に遷座され以前よりお祀りされていた神様と合祀されました。
 
車山神社の鳥居  車山神社三之御柱  
車山神社にも御柱があります。 諏訪大社の大祭が終わり、諏訪の各地方ではそれぞれの神社などで「小宮祭」と呼ばれるお祭りが開催されます。標高1,925mの車山山頂にある「車山神社」でも秋に小宮祭が行われ、全国的にも珍しい御柱の引き上げが行われます。 
見渡す限りの草原が広がる開放感抜群の高原地帯・車山は、夏にはニッコウキスゲの群落が草原一面を黄色く染めます。
また、冬はスキー、夏はカヌーやパラグライダーなど、高原の美しい景色のなかでアクティビティを楽しめます。ホテルやペンションなどの施設も多く、一年を通してみんなで楽しめる総合リゾートエリアです。  
  
車山高原は、高山植物の宝庫です。緑の季節には600種類の花々が咲き誇ります。6月にはレンゲツツジの群落が花をつけ、7月からはニッコウキスゲの花が全草原をおおいます。8月下旬にはマツムシソウが開花し群落があちこちに目立ってきます。やがて9月、草原の緑は色あせて、今まで気がつかなかったススキが白銀の穂をつけ波打ちます。 
 
 
 山頂から車山肩に向かって続く道です。信州の山々と果てしない草原、ビーナスラインも一望できます。車山山頂付近では周りに視界を遮るものがなく、まるで空を歩いているかのようなトレッキングが楽しめます。
車山肩の駐車場が見えてきました。 
美ヶ原から八島ヶ原湿原を通り、霧ヶ峰高原、そして車山高原・白樺湖、蓼科高原から茅野に抜けるビーナスラインです。 さわやかな高原の中を走る、快適このうえないドライブウェイです。 車山高原はこのビーナスラインの中でも、もっとも美しい高原と言われ、展望や高山植物など豊かな自然に恵まれた高原です。 
 

【霧ヶ峰湿原】
霧ヶ峰湿原は、車山湿原、八島ヶ原湿原、踊り場湿原の三ヶ所からなり、国の天然記念物にも指定されます。日本の高層湿原の南限にあたり、学術的にも貴重な湿原です。年間を通して400種類以上の亜高山植物を観察することができます。 

<車山湿原>
車山湿原は、車山北西部の傾斜地(車山肩)に、渓流を中心に発達した湿原で、霧ヶ峰三大湿原の中で規模は一番小さく、標高は約1925mと一番高い位置にあります。 
車山肩(標高1.803m)には、駐車場やレストランがあり、湿原を見下ろす事が出来ます。湿原には木道が設置され、車山肩を出発して湿原の周りを歩くことができます。
  
車山湿原は、霧ヶ峰の最高峰である車山に隣り合い、泥炭層の厚さから3湿原の中で最も若い湿原と考えられています。 
蝶々深山は、車山湿原の横にあるなだらかな山です。車山肩から蝶々深山(標高1,836m)に登り、八島ヶ原湿原を巡ることもできます。 
車山湿原は低層期を経ず直接高層湿原となったと考えられていて、周囲の植物の侵入により衰退しつつありますが、車山湿原ではおよそ250種の植物が見られます。 
  
車山湿原を巡った後は、車山乗越(標高1,815m)からスカイライナーリフト乗降口に向かいました。
   
 
 スカイライナーリフトで車山スカイプラザの駐車場に戻りました。
  


<八島ヶ原湿原>
八島ヶ原湿原は、日本を代表する高層湿原です。12,000年の歴史を持ち、その重要性を早くから認められ、1939年に国の天然記念物の指定を受けました。
  
ツリガネニンジン 
  オミナエシ 
八島ヶ原湿原は、日本の高層湿原の南限にあたります。尾瀬ヶ原よりも泥炭層が発達し、8.05mにもなっていて、1年に約1㎜ずつ成長しています。
標高1,630m、長野県のほぼ中央、3000ヘクタールの大草原が広がる霧ヶ峰高原の北西部に位置する八島湿原一帯は自然のたいへん豊かなところです 
 
フシグロセンノウ 
マムシグサ   
八島ヶ原湿原周辺は貴重な動植物の宝庫です。 
  
木道が整備されています。  ワレモコウ 
今も変化し続ける高層湿原の姿を遊歩道をたどりながら眺めることができます。  
 
サラシナショウマ   
  
コウゾリナ 
繊細な姿をみせる湿原植物や可憐な花をつける亜高山植物、そして過酷な環境の中で生命を育む動物たちを観察することができます。
高層湿原の始まりは、湖沼です。湖沼では周囲から土砂の流入、水生植物の繁茂などが起き次第に埋められていきます。標高1000m以上の場所や高緯度地方では寒冷な気候のため、植物の遺体は腐敗・分解がしにくく泥炭となって堆積していきます。  
 
ハクサンフウロ 
ゴマナ   

<宿泊した車山高原スカイパークホテル>
車山高原スカイパークホテルは、車山高原の中で、もっとも眺望の素晴らしい標高1500mの丘の上に建っています。 八ヶ岳連峰をはじめ、遠くは浅間山から南アルプスまでを、見渡すことができる絶好の立地条件です。
 
車山高原スカイパークホテル  
 
車山高原リフトから見た車山高原スカイパークホテル  ホテルの部屋から見た蓼科山 
ホテルの部屋から蓼科山、横岳、八ヶ岳連峰がきれいに見えました。 
 
イングリッシュガーデン 
 
ロビーから見た蓼科山と八ヶ岳連峰  車山高原礼拝堂 

(2022.8.29撮影)

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