平湯温泉

  平湯温泉は、乗鞍岳のふもと、海抜1,250mにあります。奥飛騨の中でも最も古く、歴史ある温泉とされています。
  江戸時代末期、飛騨についてに書かれた「飛州志」にも平湯温泉についてまとめた「平湯温泉記」があり、「中世の頃、甲州の武田家臣が攻め入ったとき、士卒が毒霧にやられ動けなくなった。そのとき白い老猿が温泉に入り悪い足を治して跳び去った。これを見た者は競って霊泉に浴し、すっかり元気を取り戻した。この時以来、様々な病を持った多くの人が盛んに訪ねるようになった。云々」と書かれています。
  北陸の大名も参勤交代の道中で疲れをとり、湯治場として栄えました。 

<平湯民族館>

  平湯民俗館は、平湯温泉にある合掌づくりの資料館です。民俗館として使われているのは、赴き深い茅葺き屋根の民家二棟です。江戸時代中期に建てられた入母屋造りの農家が資料館、合掌造の民家が食事処になっています。  

【旧豊坂家住宅】

旧豊坂家住宅は、江戸時代中期に建てられた農家で、蔵柱地区から移築したものです。
    
 
家の中には、寝室、客間、居間、台所、馬廐があり、昔の暮らしを再現した囲炉裏がありました。 

【旧高桑家】

旧高桑家は、富山県利賀村から移築した合掌造の民家です。
    
 
   
 
足湯がありました。 
 
ニジマスがいました。   

【平湯の湯】

平湯の湯は、日帰り入浴施設です。平湯温泉の外湯として人気です。 
    
 
脱衣所から扉を開けると、野天風呂があります。洗い場はなく、備え付けの桶で掛湯をして浸かります。 

<平湯神社>
  平湯神社は、平湯温泉の中心地に鎮座する神社で、もともとは天照大御神を御祭神として祀る神社で「神明神社」と呼ばれていました。しかし1980年に平湯温泉開闢の「白猿伝説」にあやかり、温泉発見に大きな役割を果たした白猿を合祀して「平湯神社」と改称されました。 
    
平湯神社の社殿 
 
平湯神社の鳥居  猿満堂 
<薬師堂、篠原文庫>
  薬師堂は、医薬の仏さま薬師如来が安置されています。平湯の温泉に浸かり、その薬師堂にお参りすると病気が早く治るといわれています。
  篠原文庫は、大正時代に自ら平湯に赴任してきて、青少年の育成や女工救済活動など、平湯の発展と教育に尽力した篠原無然の貴重な資料を展示した資料館です。 

    
鈴虫水車 
 
薬師堂  篠原文庫 

<平湯大滝>
平湯大滝は、平湯温泉発祥の伝説が残る滝で、巨大な岩盤から水が流れ落ちます。落差64メートル、幅6メートルあり、飛騨三大名瀑のひとつで、日本の滝百選にも選定されています。毎年2月には滝の結氷した姿をライトアップする平湯大滝結氷まつりが開催されています。 
 
 
<平湯大ネズコ>
平湯大ネズコは、樹齢約1000年、高さ23m、幹周760cmにもなる大きなクロベの木です。「森の巨人たち100選」にも選ばれている名木です。昭和初期、篠原無然により自然の大切さを教えられた村人が、今日まで大切に保護してきました。
 
 
力強い根元近くで多くの支幹に分かれ、見る方向によって形が変わります。標高1500mの厳しい自然環境の中、複雑で個性的な樹形を持ち、孤高の山の神と言った風格を漂わせていました。  
   
平湯大滝への進入口であるキャンプ場の傍らに大ネズコへの山道入口が掲示されていて、急斜面の山道を30分程登ります。滑りやすい急登なので登山靴が必要です。他にも巨木がありました。 

<銚子の滝>
銚子の滝は、落差が約25メートルあります。銚子の形に似ていることから名付けられました。岐阜県の名水50選に選ばれていて、四季折々に変化する渓谷の美しさが楽しめます。 
 
 

<田上家住宅>
田上家住宅は、田上家当主田上太郎四郎が、日下部家住宅を造った川尻治助に依頼した農家建築で、明治15(1882)年に建てられました。完成までに12年の歳月を要したといわれます。 
棟梁の技が光る贅を凝らした造りです。施主の豊富な経済力を背景に高度な建築技術が十二分に発揮されて作られた建物です。
    
 
屋根と小庇がせり出し、屋根の軒は「せがい造り」です。出桁を受ける腕木は、大工の稲尾三郎による「雲」と呼ばれる意匠の持ち送りが支えています。2階には、川尻治助が使用した大工道具も残されています。
 
 
7mを超える松の巨木を使った豪快な梁に圧倒されます。山間の農家とは思えない贅を凝らした造りとなっています。 
    
 
併設されている森の水族館では、自然豊かな渓流や滝などを再現した水槽で、巨大なイトウなど、たくさんの淡水魚たちを観察することができます。
   
 
巨大イトウ   
   
昭和30年の高山駅沿線を再現した手作りのジオラマが展示されていました。実際に電車が動き、花火が上がりました。 

<旧荒川家住宅、歴史民俗資料館>
荒川家は天正年間(1573年から1592年)から続くという旧家です。飛騨の匠が腕をふるった建物で、主屋と土蔵は江戸中期に建てられました。隣に歴史民俗資料館があります。
左が旧荒川家住宅、右が歴史民俗資料館です。 

<宿泊したホテル>
     
宿泊したホテル湯めぐりの宿平湯館   
   
ロビーから素晴らしい庭園が見えました。  
(2021.9.28撮影)
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