祖谷のかずら橋

 源平の戦いに屋島で敗れた幼い安徳天皇と平教経一行が四国山中の祖谷に逃れたという、平家落人伝説があります。祖谷の平家落人伝説の中心は落合集落のある東祖谷ですが、その入口となる西祖谷の平家落人伝説を代表する場所が、源氏の追手が来た時に、切り落とせるように蔓を束ねて橋を造った「祖谷のかずら橋」と古都の生活をしのびながら滝の下で琵琶を奏で慰め合ったと伝えられている「琵琶の滝」です。 
祖谷(いや)のかずら橋は、日本三奇橋のひとつとして知られています。シラクチカズラ(重さ約6トン)で作られたもので、長さ45m・幅2m・水面上14mあり、3年毎に架替えが行われます。昔は深山渓谷地帯の唯一の交通施設でした。
かずら橋は周囲を木々に囲まれ、眼下には祖谷川の渓流を見下ろすロケーションです。新緑の中に淡い紫の山藤が咲き、心地よい森林浴気分を味わえました。
   
 
下を流れる川面からの高さは14mあるので、高所恐怖症の人はためらうことと思います。足元はスカスカで、 大人の足であっても木と木の間に足が落ちそうになるため、注意しながら渡らなければいけません。 
 
かずら橋の材料は「シナチクカズラ」という植物で橋が組まれています。現在は安全のためワイヤーは使われていて、かずらはワイヤーを包み込んでいます。
 
一歩一歩ゆっくり歩いていっても、ギシギシという音とともに揺れてスリル満点です。
 
祖谷のかずら橋のは、古文書によると、かつては7ないし13の橋が存在したとあります。最古のものは、1646年の「阿波国図」にかずら橋が7つ存在したと記録されています。起源は、空海が祖谷に来たとき困っている村民のために架けたとか、あるいは平家の落人がこの地に潜み、追手が迫ってもすぐ切り落とせるように葛を使って架設したとの伝説もありますが定かではありません。 

<琵琶の滝>

琵琶の滝は、昔、源氏との戦いに敗れた平家の落人たちが、都の生活を偲んで琵琶を奏で、慰めあっていたことから名付けられたと言い伝えられています。 
 
吉野川の支流、祖谷川に脇の沢から流れ落ちる高さ約40mの滝です。祖谷のかずら橋のすぐ近くにあります。繊細で美しい水の流れに見とれてしまいました。 
 
 
琵琶の滝の横にある滝見食堂で「祖谷そば」を食べました。美しい滝を見ながら食べることのできる絶景ポイントです。 

(2022.4.25撮影)
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