鍋倉渓

  山添村の神野山の山腹には、沢筋に沿って500m以上にもわたって大小の黒い岩が連なる「鍋倉渓」があります。まるで真っ黒な河の流れの異様な風景で、迫力があります。
長さ約650m、幅平均25mにわたって大小の黒色の岩々が溶岩の流れのように続いています。そして、この谷を流れくだる水は岩石の下を深く伏流し、岩の間からかすかにその水音のみを聞くことができます。これは、地質学上、特別の条件のもとに生じたきわめて珍しい風化現象で、全国的にも学術上の価値が高く評価されています。   
    
 
神野山周辺の大和高原地域一帯は、花崗岩質で形成されていますが、その中でこの高野口だけは角閃斑糲岩でできていて、岩質が非常に堅いために侵蝕にたえてこの山容ができたものと考えられています。  
    
 
伊賀の天狗と神野山の天狗がけんかをして投げあった岩だという伝説や、火山の溶岩が流れ出して固ったものだなどいろいろな俗説はありますが、この成因は前地質時代に山の表面が風化して、次第に細かく土壌化する際に、角閃斑糲岩のとくに堅い部分が風化にたえて岩石のまま残り、当時の谷底に自然に移動して集まったもので、その後地形の変化に伴って現在のような浅い谷となり岩石が昔の谷にそのまま長い列をなして堆積したものと考えられます。そして流れくだる水は一層谷底を深く侵蝕して岩石の下をくぐり伏流となったものといわれています。  
    
 
鍋倉渓の名称の由来は、堆積した岩のそれぞれが黒くすすけた色をしていて鍋の底を連想させるところからこのように呼ばれるようになったと言い伝えられています。 
   
 
神社の境内に竜王岩がありました。竜王岩は、鍋倉渓の中央付近に位置し、現在もご神体として祀られています。さそり座のアンタレスを表していると考えられています。  
    
 
竜王岩   
近年、鍋倉渓と周辺の巨石の位置関係をGPSを使って調べたことから、驚くべき発見がされました。天体の「夏の大三角形」と呼ばれる三つの星(デネブ、ベガ、アルタイル)と、GPSで地図上に落とした巨石や王塚の位置が重なることがわかったのです。王塚が白鳥座のデネブ、八畳岩が琴座のベガ(織り姫)、天狗岩がわし座アルタイル(ひこぼし)、そして竜王岩がアンタレスにほぼ一致します。また若干形状が違いますが、天の川と鍋倉渓とがほぼ一致します。
竜王岩付近からの展望です。  竜王岩のある神社 
    
 
昔、神野山の天狗が伊賀の国の青葉山に住む天狗と喧嘩をして、青葉山の天狗が手当たり次第に草木や岩を神野山に向かって投げたため、飛んできた岩で鍋倉渓ができたという民話があります。 

<めえめえ牧場>
めえめえ牧場はフォレストパーク神野山にある、ひつじの牧場です。ひつじが約50頭のんびりと草を食べてます。毛刈りや、羊せんべいの餌やり体験もできます。 
 
 
展望台からの眺めです。 

(2022.3.7撮影)
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