屋久島縄文杉トレッキング

  屋久島縄文杉へのトレッキングは,往復22km,標高差700mの行程を9時間から11時間かけて歩きます。荒川登山口から最初の8.5kmは,トロッコ軌道を歩きます。大株歩道からは傾斜のきつい山道ですが,ウィルソン株や大王杉など 屋久島でも代表的な屋久杉に出会うことができます。11kmを一生懸命歩いてようやく縄文杉にたどりつきます。帰りは同じコースを戻ります。急斜面の下りはすべりやすく,また,疲れた体で長いトロッコ軌道を歩かなければなりません。長い行程ですが,屋久島の自然の中に魅了され,縄文杉に出会う感動を味わいながらトレッキングをすることができます。  

【縄文杉】

  1966年5月,上屋久町小杉谷の標高1300メートル地点で,樹高25.3m,幹周り16.4mの縄文杉が発見されました。。「縄文杉」という名前の由来は,当時推定された樹齢が4,000年以上で縄文時代から生きていることから来たという説と,奔放にうねる幹の造形が縄文土器に似ているからという説があります。
推定樹齢は2000〜7200年。世界最古級の樹木とも言われていますが,あくまで推定樹齢ですので,確かなことはわかりません。
   
  縄文杉の周りは根を踏まれないように柵が作られて近づけないようになっています。観光客は木で作られた展望デッキの上から縄文杉を眺めます。
【屋久杉】
日本での杉の南限が屋久島です。その南限で一般に樹齢が300年ほどと言われている杉が,2000年,3000年もの長寿の杉になるのは,年間4,000mmから10,000mmもの多雨に恵まれている屋久島の特殊な自然環境と,屋久杉の樹脂の特性が起因しています。屋久島の土台は花崗岩で栄養分が少なく,杉の生長が他の地域に比べ遅くなります。すると,年輪の幅が緻密になり材は硬くなります。そうなることで樹脂道に普通の杉の約6倍ともいわれる樹脂がたまります。この樹脂には防腐・抗菌・防虫効果があるため,屋久杉は長い年月の間不朽せずに生き続けられるのです。樹齢1000年以上の杉だけを屋久杉と言い,1000年以下を小杉,植林の杉を地杉と区別しています。その屋久杉は,標高にして600m以上から1300mくらいの所に多く自生し,1200m前後に巨大杉が多く見られます。 

【縄文杉トレッキング】

<荒川登山口〜小杉谷>

    
 夜明け前にホテルを出発しました。 
 
荒川登山口からトレッキングをスタート しました。  
   
 
トンネルをくぐりました。  巨大な花崗岩が露出していました。 
    
 
枕木の露出したトロッコ軌道が続きます。とても歩きにくく疲れました。   

<小杉谷>
   
小杉谷橋   大山神社  
     
小杉谷小・中学校跡  小杉谷には屋久杉伐採の最盛期には約540人が住んでいました。  
    
 
ヤクシカがいました。おしりが白いハート型になっています。 
<三代杉>
三代杉の一代目の杉は約3500年前に誕生し約1200年生きました。次の二代目は一代目の上に発芽し,一代目の養分を肥やしとし約1000年生きたところを伐採され,三代目はその切り株より芽を出した一本の苗が成長し,現在約350年と言われています。
屋久島ではこのような倒木や切り株の上で次の世代が成長した木々がたくさんあります。 
 

<仁王杉>
仁王杉は、もともと2本の屋久杉があって,お寺の門の左右にある仁王像が名前の由来です。仁王像には,口を開いたほうの「阿形(あぎょう)」と口を閉じたほうの「吽形(うんぎょう)」がありましたが,吽形の方は倒れ,阿形のみ残っています。   
    
 阿形
 
仁王杉の阿形  倒木の吽形  

<大株歩道入り口>

   
ここでトロッコ軌道は終わりです。     
     
大株歩道入り口から急斜面の山道になりました。    
<翁杉>
翁杉は、2010年9月10日に地面から3m程の高さで折れ,上部は登山道と反対側にある沢側へ倒れました。幹内部が腐って空洞化しているため,自分自身の重さや着生植物の重さに耐えきれず折れたものと推定されています。樹齢約2,000年,樹高23.7m,幹廻り12.6mで,縄文杉に次ぐ太さでした。 
 
翁杉の居なくなった場所は,上空にポッカリと空間が出来て光が地面に届くようになりました。ここから,新しい森の再生が始まります。
   
屋久杉の森林を登って行きました。   

<ウィルソン株>
ウィルソン株は、1914年にアメリカの植物学者であるウィルソン博士がこの株を調査し,屋久杉を世界に紹介したことにちなんでいます。この切り株の上の幹の部分は,豊臣秀吉が大阪城築城か方広寺建立に使うために切らせた言われています。
    
 
    
 
ウィルソン株の中は広く,畳10畳くらいはあります。中に祠まであります。  
    
 
中から上を見上げると,森の樹々と太陽の光が織り成す自然の光景を見ることができます。
この開口部は,見る方向によってハート型に見えるので,人気があります。  

<大王杉>

大王杉は樹齢3000年の巨大な屋久杉です。 縄文杉が見つかるまでは屋久島最大といわれていました。。  
    
 
    
 
 宮浦岳が見えました。 
<夫婦杉>
夫婦杉は、樹齢2000年で,3m程離れた2本の巨木の枝が10m程の高さでつながっています。杉は融合しやすいのですが,これほど高い位置でつながっているのは珍しいことです。夫婦が手をたずさえたような姿をしているのでこの名前がついています。  
 
   
夫婦杉の近辺は,苔に覆われた木々や杉の巨木, 大木にからみつくヤマグルマなど太古のままのような原生林が続きます。
    
 
マグロの頭杉…マグロの頭に見える倒木です。   

<縄文杉>

展望デッキの階段を登ると,いよいよ縄文杉と対面できます。11km歩いた苦労が感動で吹っ飛びました。シーンと静まりかえった森の中に巨大な縄文杉が立っていました。  
   
   

<帰路(縄文杉〜荒川登山口)>
帰路は同じコースを戻りますが,往路のときには撮影できなかったものものんびりと写真に納めることができました。  
   
  ヤクシカがいろんな所にいました。人に慣れているので逃げません。 
   
屋久杉の年輪     
   
戦争中の防空壕の跡です。  
   
安房川の水はとてもきれいで,河原で休憩すると癒されます。  
   
食虫植物のモウセンゴケが花崗岩に生えていました。  現在もトロッコが使われています。 

(2015.5.22撮影)
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