相国寺

 相国寺は、臨済宗相国寺派大本山です。足利三代将軍・義満が発願し、後小松天皇の勅命を受け、1392年に完成しました。境内には13の塔頭寺院があります。また、山外塔頭として、鹿苑寺(金閣寺)、慈照寺(銀閣寺)、真如寺があります。 


<法堂>

法堂は、1605年、豊臣秀頼の寄進により、5回目の再建がなされました。日本にある法堂建築としては最古のものとなります。
 
 
法堂   
法堂は正面約28.72メートル・側面約22.80メートル・高さ約22メートルです。京都五山禅院(天龍寺・相国寺・建仁寺・東福寺・万寿寺)の中では最大の建物です。(南禅寺は別格) 
 
天井には、鳴き龍の名で有名な蟠龍図があります。狩野光信によって天井に描かれ、特定の場所で手を打つと反響するため鳴き龍と呼ばれています。本尊である釈迦如来坐像と脇持の阿難尊者像、迦葉尊者像は運慶による作とされています。

<方丈>

方丈は初めて建立されて以来度々焼失し、1788年の天明の大火でも焼失しましたが、1807年に開山堂・庫裏とともに再建されました。方丈では安土桃山時代の1574年に織田信長、名物を披露する茶会を行いました。
 
観音菩薩 
 
方丈  絵を拡大すると経文の文字が見えます。
方丈室中の間にかかっている軸物は観音菩薩で、江戸時代、遠塵齋(加藤信清1734-1810)によって画かれました。すべて法華経の普門品第二十五、観音経の経文の文字によって画かれています。 
 
 
  白象図 
方丈前庭側の杉戸絵は、江戸時代の絵師である原在中により描かれた「白象図」です。 
    
 
裏方丈庭園  表方丈庭園 
方丈には「表方丈庭園」と「裏方丈庭園」があり、それぞれ方丈正面と裏側に趣の異なる2つの庭園があります。 
    
裏方丈久重桜 
 
裏方丈庭園   裏方丈庭園の杉戸絵 


<開山堂>

開山堂は、開山夢窓国師の木像を安置している堂で、法堂の東にあります。何回も焼失していますが、現在の建物は江戸時代末期に桃園天皇の皇后、恭礼門院の黒御殿を1807年に移築、仏堂として用いられるように増築や一部改造を行なったものです。 
    
 
開山堂前庭   
開山堂の南庭は、手前が白砂敷きの平枯山水、奥部が軽くなだらかな苔地築山となっています。築山と流れの「山水の庭」と、御影の切石に縁取られた白砂に庭石を配置した「枯山水平庭」の、二様の形態の庭がひとつに同居しています。

<庫裡>

相国寺の庫裏は、五山の大型庫裏の遺構として、歴史にも貴重なものです。香積院とも呼ばれています。
 
 
庫裡   

<境内各所>

 
 鎮守八幡宮
 
総門からの道  経蔵 
 
後水尾帝髪歯塚 
 
鐘楼(洪音楼)  天響楼 

(2022.4.3撮影)
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