浄瑠璃寺

  浄瑠璃寺は、8世紀に創設されたと考えられていますが、正確な日時は不明です。僧侶が静かな場所で修行し勉強するために、この地が選ばれました。最初の本堂は1047年に建てられ、小さな木彫りの薬師如来が本尊として祀られました。1107年、阿弥陀如来の木像9体が他の仏像とともに祀られました。 
本堂 
浄瑠璃寺の庭園は、極楽浄土を表現しています。梵字の阿字をかたどったと云われる宝池を中心に配し、西に本堂・九体阿弥陀仏を安置し、東に三重塔・薬師如来像を祀るという当初のままの形を残している浄土庭園です。
 
本堂は横に長く、九体の阿弥陀如来を安置しています。京都を中心にして30か所ほど九体阿弥陀堂が造られたと云われますが、現存しているのは浄瑠璃寺だけです。本堂、三重塔、九体阿弥陀如来像、四天王立像が国宝に指定されています。
   
九体阿弥陀如来像 
 
吉祥天女立像  本堂 
「観無量寿経」にある上品〜下品までの九品往生の考えから九体祀っています。中尊だけ丈六仏、脇仏8体は一回り小さく半丈六仏となっています。現在の本尊で古くから残る九体佛は日本で唯一のものです。浄瑠璃寺の吉祥天女像は、絶世の美女と名高い像です。九体阿弥陀堂内に置かれている厨子に入っていて、普段は厨子の扉が閉じられ、一定期間のみ公開されます。鎌倉時代のもので、保存状態がよく、着物に彩色が残っています。 
   
 
境内は浄土式庭園を形成しています。境内の中心に位置する大きな池は興福寺の恵信僧が掘ったもので、その中央には小島があり、弁才天を祀る祠があります。池の東岸には薬師如来を安置する和様の三重塔、西岸には阿弥陀如来を安置する本堂(九体阿弥陀堂)があります。 
   
本堂から宝池を挟んだ対岸に建つのが三重塔です。三重塔は1178年に京都より、移されてきました。この塔は、平安時代当時の唯一現存している建物で、その他の建物は戦乱や火災によって消失してしまっています。 三重塔の中には、薬師如来像が安置されています。薬師如来は、衆生の病苦を救う存在と考えられています。
 
浄瑠璃寺の伽藍配置は、池を中央にして東に薬師如来を祀る三重塔、西には阿弥陀如来九体を祀る本堂があります。
   
 
周囲の自然環境と共に四季折々の美しさを見せてくれる静かな場所にあります。 

(2022.4.4撮影)
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