京都トレイル北山西部コース3(二ノ瀬~京見峠)
京都一周トレイル北山西部コースは、二ノ瀬から清滝までの全長約19.3キロのコースです。真っ直ぐに伸びた北山杉の木立を抜けて、四季折々の自然が色鮮やかに楽しめるコースです。
今回は、二ノ瀬から京見峠までの部分を歩きました。京見峠からは、長坂道を歩いて源光庵まで下山しました。
まず、標高175mの二ノ瀬駅を出発して向山山頂標高426mまで登りました。そして、一旦洛北発電所標高130mまで下ってから城山下峠標高450mまで登りました。その後、京見峠登り口下標高380mまで下りました。トレイルコースは、今回はそこで終了しましたが、バスに乗るため、鷹峯源光庵バス停標高150mまで下りました。そのため、合計約10.7kmの行程となりました。 |
<二ノ瀬~夜泣き峠>
二ノ瀬駅から向山までは、標高差約250mを登りました。つづら折りの山道が続いたり、倒木が道を塞いでいたり、路肩が崩れていたり、大変なところもありました。 |
二ノ瀬駅 | 鞍馬川 |
叡山電鉄の二ノ瀬駅で降りてトレイルコースを歩き始めました。二ノ瀬駅は無人駅でのどかな場所でした。 |
秋の里の風景を楽しみながら歩き始めました。 |
守谷神社、富士神社 |
倒木がたくさんありました。 | 落ち葉が絨毯のようでした。 |
<夜泣き峠~向山>
夜泣峠標高375m |
夜泣き峠は、昔、幼少の惟喬親王が、乳母に抱かれて二ノ瀬に出る時、ここで一夜を明かしたが、親王が夜泣きをしたため、この峠にあった地蔵さんに願をかけたとたんに泣きやんだということから夜泣峠といわれるようになったといわれています。 |
向山山頂426m | |
向山から街が見えました。 |
鹿が角で木をこすった傷? | ||
木々の間から展望が開けました。二軒茶屋方面の紅葉がきれいでした。 |
十三石橋です。ここで鞍馬川が賀茂川に合流しています。 | 洛北発電所 |
洛北発電所は、洛北水力電気株式会社が1908(明治41)年10月に竣工した水路式の発電所です。京都の産業遺産になっています。 |
ミツバチの巣箱がありました。 | ||
盗人谷一の橋 | 倒木で荒れていました。 |
滝がありました。 | |
盗人谷三の橋 | まっすぐ空に伸びる杉の林でした。 |
北山杉の林の中を歩いて行きました。 | 倒木が道を塞いでいました。 |
氷室の里はのどかでした。 | お地蔵さんがありました。 |
氷室とは、現代のように冷凍庫がない時代に、天皇へ献上するための氷を貯蔵しておく場所です。冬の間に池にできた氷を採取して氷室に貯蔵しておき、夏になるとその氷を京都御所まで運んでいました。氷は五か所の氷池に氷が張ると、さらに水をかけて厚い氷を作り、それを切り出して貯蔵したと言われています。 |
氷室は冷気の溜まりやすい山間部の窪地に作られました。まず斜面に穴を掘り、底には茅などの枝葉を敷きました。その上に板を乗せて近くの池で採った氷を入れ、さらに上から板をかぶせ、板の上を草や土で覆って夏まで保管しておいたそうです。 |
氷室は四方を山に囲まれた山間盆地であり、標高は約380mです。冷たい空気がたまりやすく氷室を作るには適した立地だったようです。 |
氷室の集落にある氷室跡には、丸いくぼみが3つ残っています。 |
氷室神社は、夏に禁中で食する「氷」を保存していた「氷室」を守護するために創建された神社です。 |
氷室神社拝殿は覆屋で覆われていました。 | ||
氷室大明神と書かれた鳥居 | 桃山風花鳥の彫刻が見られます。 | |
氷室神社本殿 | 氷室神社末社 |
京見峠は標高446mの所にあり、京都の街が一望できることからこの名がつきました。太平記に「京中を足の下に見下ろせる峠」という記述があります。 |
昔は京の七口のひとつ「長坂口」から若狭国など北国や丹波方面とを結び、室町時代には関所もおかれた古くからの要所でした。現在も京都市内から杉阪や周山街道へ抜ける車が利用しています。 |
江戸時代に創業したという茶屋がありましたが、2011年に営業を終了しました。 |
京都の詩人 島岡剣石がこの峠で詠んだ歌の碑がありました。 |
今回の京都トレイルはここで終了し、古道長坂道を下って鷹峯源光庵バス停に行きました。 |
古道長坂道の道標 |
左に行くと千束、右に行くと杉坂で、丹波へと続く街道です。途中に石碑や石柱がありました。 |
長坂道は激坂で有名で、ロードバイクなどの愛好家が訪れます。長坂道を下った後、登った千束坂は傾斜21%の超激坂で、最大傾斜は30%です。ロードバイク愛好家の人気スポットですが、疲れた体にとてもこたえました。 |
源光庵は、1346年大徳寺の徹翁義享によって創建されました。天井は鳥居元忠が自刄した時の伏見城の遺構で、俗に「血天井」と呼ばれています。寺の中にある丸い窓は「悟りの窓」四角い窓は「迷いの窓」と呼ばれていて有名です。 |
(2021.11.29撮影)
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