春の嵐山

<渡月橋>

嵐山のシンボルと言える渡月橋は、834~847年に、弘法大師の弟子で、法輪寺を興した道昌によってかけられました。嵯峨天皇が法輪寺に参拝に行くためにかけられたといわれています。渡月橋という名前は、亀山上皇が橋の上空を動いていく月を眺め、「くまなき月の渡るに似る」と述べたことから名付けられました。
嵐山の桜と言えば、渡月橋の背景に見える岩田山のまだら桜が有名です。岩田山には何本も桜があり、緑とピンクの色とりどりの山の色がまだらのように見える桜の名所となっています。 
渡月橋の桜の見頃は、3月下旬から4月上旬になり、この期間に約1500本の桜が山をピンクに染め美しい景色を作り出します。 
    
 

  
 
 


<嵐山公園>

渡月橋近辺の広い地区一帯を嵐山公園といいます。中でも中ノ島公園は、桜と渡月橋の景色がよく見えます。中ノ島公園には、約300本の桜が花を咲かせ、多くの観光客で賑わいます。
    
 
   
 
嵐山公園は中之島地区などに円山公園の枝垂桜の姉妹木である枝垂桜・紅枝垂桜・染井吉野などが植えられています。桜と桂川・渡月橋・嵐山などのとても美しい光景が見られます。 
    
 
    
 
中ノ島公園は、桂川の中州に広がる広い公園です。 
    
 
   
 

    
 
四季折々に見せる美しい景色を水辺から楽しめる屋形船が運行されています。渡月橋の上流一帯まで、船頭が竿一本で案内してくれる遊覧船をはじめ、食事が楽しめる船や渡し船などもあります。最初のお船遊びは醍醐天皇(898年)頃と言われています。夏の風物詩である嵐山の鵜飼は清和天皇(849~880)のときに宮廷鵜飼が行われたのが始まりです。
渡月橋の下を流れる保津川は、大堰川(おおいがわ)、さらに桂川と名を変え、淀川に合流します。 
    
 
 
 
分流地点です。右が桂川本流で、左の分流は、洛西地域に水を配分するための用水路「洛西用水」(桂川用水)を取水するために作られたものです。桂川本流には「一の井堰」という堰が置かれています。
    
 

<法輪寺>

法輪寺は、713年に行基が開創し、十三まいりの寺として有名です。数え年13の男子、女子が智恵と福徳を授かるために参詣し、子供たちが大人になるための通過儀礼が行われています。お参りを終えた子供たちは、渡月橋を渡って京都市内へと戻るとき、渡月橋を渡り終えるまで決して後ろを振り返ってはいけない、という言い伝えがあります。 
    
 
山門  本堂 
 
 
多宝塔です。渡月橋から山の中腹に見えます。  電電宮 
    
 
見晴台からは、渡月橋をはじめ嵯峨野が一望でき、さらに東山の山々や京都市内を見渡すことができます。

(2021.3.30撮影)
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