十津川村

  十津川村は奈良県の最南端にある日本で一番広い村です。西は和歌山県、東は三重県に接しています。十津川の名称は、都や津(港)から遠いという意味が込められていました。電車が通っておらず、交通手段は車または、バスでの移動となります。源泉かけ流しの温泉や、清流、滝、吊り橋など、気持ちの良い大自然が村の魅力です。 

<谷瀬の吊橋>

谷瀬の吊り橋」は昭和29年に村人の力で架けられた、長さ297m、高さ54mの生活用としては日本一長い吊り橋です。危ないので一度に20名以上は渡れません。
揺れる橋を渡るには勇気が必要です。他の人が歩いてくると橋が揺れ、スリル満点です。300m近くの橋ですが、恐る恐る歩くので、往復歩くととても長く感じました。
 
中央部に幅約80センチメートルの板が、鉄線と30センチメートルおきに渡された横木の上に載っているだけです。足元を見るとはるか下にある川や川原が見えて、とても怖いです。板の上を歩いて渡りますが、板が古く、大丈夫なのか心配しながら歩きました。
   
渡るのはスリル満点ですが、渓谷に沿って連なる山々や橋下を流れる美しい川は、ここでしか見られない十津川の眺望です。橋の下にはキャンプ場がありました。 
    
 
吊り橋が完成する以前は、川を渡るたびに谷を下り、丸木橋を渡って対岸の斜面を這い上がらなければならなかったそうです。洪水のたびに丸木橋は流されたことから、当時の谷瀬集落の人々が大金を出し合い、村の協力を得て大つり橋を完成させました。 

<黒木御所跡>
黒木御所は、後醍醐天皇の第3王子、大塔宮護良親王が十津川に逃げ出したとき、豪族竹原八郎が仮宮殿を建ててかくまった御所の跡です。「黒木」は「白木」に対し、「粗末な」「仮の」という意味を込めています。 
  
 

<熊野川(十津川)>

熊野川は、その源を山上ヶ岳(標高1,719m)に発し、大小の支川を合わせながら十津川渓谷を南流し、北山川と合流したのち熊野灘に注ぎます。 十津川は、熊野川の中流域、主に十津川村内での呼称です。
十津川渓谷 
<風屋ダム>
雨量の多い紀伊半島を流れる熊野川(十津川)という大河を制するために上流域には複数のダムがあります。その中でも最大規模のダムが風屋ダムです。 

  
 
 
ダム直下   ダム湖
ダム直下の細い流れがコバルトブルーの美しい水で、周りの緑や紅葉とのコントラストがとても印象的でした。 
    
 

<笹の滝>
笹の滝は奈良県吉野郡十津川村にある滝で、日本の滝百選に選定されています。落差は32mほどで、豪快に水しぶきを上げる直瀑、その下は複雑な流れが交わる渓流瀑になっており、見ごたえのある滝です。
落差約32mの雄大な滝とその下の岩肌を流れる白糸の神秘の美しさは一見の価値があります。
巨大な岩の下をくぐると目の前に渓流爆の絶景が広がります。
 
豪快な音を立てて、岩盤の上を水が流れ落ちていきます。 
周りの紅葉の景色も感動的でした。 
 
笹の滝入口です。 
 
車で笹の滝入口へ行く道路から見えた集落です。 入口からは神秘的な道を歩いて行きました。 

<野猿>
野猿は、十津川村特有の「人力ロープウェイ」です。両岸から川の上に張ったワイヤーロープで吊り下げられた「やかた」に乗り、自力で引き綱をたぐり寄せて進みます。猿が木のつるを伝って行く様子に似ていることからこの名がつけられました。
    
 
スルスルと渓谷を渡るスリルと山々と川が見渡せる眺めの良さは最高ですが、ロープを引いて進むのにかなりの力が必要で大変な乗り物です。

<柳本橋>
柳本橋は、上湯川にかけられている、全長は90メートル、高さ10メートルの吊り橋です。谷瀬の吊り橋に比べると長さも短く高さも低いのですが、足場の板は薄く、体重でたわみ、横のワイヤーは手が届かないので、持つわけにも行かず、橋が揺れてとても怖いです。
 
 
柳本橋は世界文化遺産に登録されている熊野古道の一つ「小辺路」にかけられているため、ここから果無山脈へと続く小辺路を歩く人の通り道になっています。  


<果無集落>
奈良県十津川村の「果無(はてなし)集落」は、世界遺産に登録された巡礼の道「熊野参詣道の小辺路」沿いにある小さな集落です。桜や紅葉の時期も風情があり、「にほんの里100選」や「奈良県景観資産」にも登録されています。
 
 
高地にあるため、“天空の郷”と呼ばれています。世界遺産の道がまるで大空に向かって果てしなく続いているようです。
   
標高1000mの果無山脈を見渡す果無集落は、古き良き日本の原風景が残されています。 
 
 
果無集落の家の前には世界遺産の小辺路の道が通っています。
   
高い標高にある果無集落にも田んぼが広がっていました。少ない平地を利用しています。 
 
 
熊野参詣道小辺路は、真言密教の総本山・高野山から熊野本宮大社にまで続く全長72キロメートルの祈りの道です。高野山金剛三昧院の参道から、伯母子峠、三浦峠、果無峠と、1000メートル級の3つの峠を越えて、熊野本宮へと参詣するルートです。 
<果無めん滝>
果無めん滝は、小辺路参詣道の途中に見ることが出来る滝です。落差は15メートルなのですが、真近に見れるので迫力がありました。 
 
 


<十津川温泉>

十津川村は全国で初めて「源泉かけ流し宣言」をした村です。村の温泉施設すべてが、お湯の循環、再利用を一切せず、沸かさず、塩素消毒をせず、薄めず、かけ流しています。これは、十津川村の豊富な湯量だからできる、極めて贅沢な極上の温泉です。

<宿泊した十津川温泉の旅館>

   
 
宿泊した十津川温泉の旅館「吉乃屋」の部屋から十津川(熊野川)に美しい景色が見えました。  
 
 
エメラルドグリーンの川の美しい景色眺めながら露天風呂につかることができました。
   
     

(2021.11.1~2撮影)
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