フェニックスの褶曲

  フェニックスの褶曲は、2000万年前から4000万年前の地殻変動によりできたスケールの大きな、しかもほぼ完全な形で地表に表れている褶曲で、外国の文献で紹介されたり、中学校の理科の教科書にも採用されるほど有名な褶曲です。あたかもフェニックスが羽を広げたように見えることから「フェニックス褶曲」と呼ばれています。 
フェニックスの褶曲を見るためには、急勾配の悪路を海岸に下りていきます。海岸に下りて、磯を回り込むと、フェニックスの褶曲に到着します。曲がりくねった褶曲を見ると、感動します。
 
褶曲は、たい積した当時は水平だった地層が地殻変動で波状などに屈曲した状態を言いますが、フェニックスの大褶曲は、「つ」の字型に大きく折れ曲がったり、木の年輪状になっているなどダイナミックな姿を見せています。 
 
地層が堆積してから硬い岩石になるまでには、通常長い時間がかかりますが、堆積して間がない段階では柔らかくて柔軟性があることから、横方向に力が加わって圧縮されると、地層が曲がりくねるように変形をします。 
 
フェニックスの褶曲付近のキサバ海岸です。  ここを下りてきました。 

<サラシ首層>
串本町田子の海岸には、平らな磯に大小の岩を散りばめたような地層があります。地面から顔を出しているように見えることから地質の専門家が「サラシ首層」と名付けました。岩はころがっているのではなく、下の岩盤とつながっています。潮が満ちてくると不思議な光景が広がります。 
 
 
サラシ首層のでき方には、いくつかの説があります。案内板によると、その一つが海底土石流です。これは、海底の斜面が崩れて、礫を多く含んだ土石流となって流れ下り、海底斜面にたまり、その後陸地になり、波によって柔らかい部分が削られ、堅い部分が岩のように残ったという説です。 

<里野海水浴場>
里野海水浴場は、人が少なく隠れた海水浴スポットです。夏場はウミガメが産卵のために上陸することもあります。天候や時間などで海の色が変化し、訪れたときは、美しいブルーでした。

<女夫波観潮 恋人岬>
恋人岬は、陸ノ黒島(おかのくろしま)を眼下に望み、「婦夫波」が見られるところとして知られています。波が陸の黒島にぶつかり、白波が再び合わさる合掌波が見られ、「婦夫波」と呼ばれています。
 
 

(2022.1.17撮影)
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