神島

  神島は、渥美半島と志摩半島との間に浮かぶ小さな離島です。「神が宿る島」といわれ、古くから太陽の信仰と美しい自然が息づく神秘の島です。 

<鳥羽から神島へ>

愛知県の伊良湖からでも、三重県の鳥羽からでも船で行くことができます。今回は、佐田浜の鳥羽マリンターミナルから鳥羽市営定期船に乗って神島に行きました。 
    
 
双胴高速船「きらめき」に乗って行きました。すぐにスピードを上げるので、すぐに陸から離れ、陸が小さくなって見えました。神島まで約45分です。  
青空の下、気持ちのいいクルージングでした。 
    
蛸壺がたくさんありました。 
 
途中、答志島の和具港に寄港しました。答志島は、鳥羽市の離島の中でいちばん大きな島です。関ヶ原の戦に敗れ自刃した鳥羽城主・九鬼嘉隆の首塚・胴塚などの史跡があります。 
    
答志島を出発すると、神島が見えてきました。神島に近づくと、漁港と集落が見えてきました。平坦な土地が少ないため、漁港付近の斜面に民家が密集していました。 


<神島到着>

  
 
神島漁港に到着しました。神島は、三島由紀夫の小説「潮騒」の舞台となったことで有名となり、5回の映画化ではロケ地になりました。 
 
 
古里の浜と八畳岩、弁天岬が見えました。  神島小中学校 
 
 
 神島は最高峰の標高171mの灯明山を中心として島全体が山地です。港には蛸壺がたくさん積んでありました。漁港から集落に入ると、細い路地や階段が入り組む漁村ならではの雰囲気がありました。

<カルスト地形>

カルスト地形は、石灰岩が風化してできた独特の景観です。白い塔のようにそびえ立つカルスト地形に海の青さのコントラストが神秘的です。 
カルスト地形は島の東南部にあり、神島カルストと呼ばれます。高さ2.3mの小尖塔状の岩や石灰洞からなります。 
 ニワの浜です。ニワの浜は、弁天岬の東側にある小さな入り江を抱いた浜で、左手には、切り立った石灰岩のカルスト地形がそびえ立っています。小説「潮騒」では、ニワの浜の情景が詳細に描写されています。
    
 
    
 
カルスト地形は、露出した石灰岩が、長い年月の間に大気中の二酸化炭素を溶かした雨水(弱酸性)に溶けて侵食され、鋭利な三角錘状の塔群や地下の空洞などができる地形です。

<監的哨跡>
監的哨跡は、戦時中に旧陸軍が伊良湖水道から撃つ大砲の着弾を目視して確認するための施設でした。「潮騒」のクライマックスシーンにも描かれています。 
    
渥美・志摩半島が一望できる眺望のよい場所です。 
    
 
監的哨跡に行くためには、カルスト地形から森の中の道を上っていきました。 
 
弁天岬が見えました。   
 
 
伊良湖水道と渥美半島が見えました。  クズの花 

<神島灯台>

神島灯台は、1910年(明治43年)に点灯された日本で最初に白熱電灯を使用した電気式灯台です。海の難所である伊良湖水道を見守ってきました。 
    
 
小説「潮騒」では、愛を成就させた新治と初江の心情が描かれています。ロマンチックなプロポーズにふさわしい場所として「恋人の聖地」に認定されています。
伊良湖水道の絶景が広がります。伊良湖水道を挟んで、対岸の愛知県の渥美半島の伊良湖岬までは、わずか約3.5kmの距離です。潮流が激しく暗礁もあって船の難所とされています。 
 
 
クサギの花 
 
クサギの花が咲いていました。  クサギの実 

<八代神社>

八代神社は、1907年(明治40年)に、山神社、神明社ほか11社を合祀し八代神社となりました。海の神様「綿津見命」を祀っています。古墳時代から室町時代にわたって集められている何百にも及ぶ神宝が大切に保管されています。保管されているものは、「和鏡」「唐式鏡」などの鏡や陶磁器が中心です。 
    
 
八代神社は、200段を超える高い石段の上にあります。
    
 
八代神社は、毎年元旦の未明に奇祭ゲーター祭りが開かれることでも知られています。 

<洗濯場、時計台>
神島では生活用水の確保が島民の切実な願いの一つでした。昭和54年に答志島から神島間の海底送水管敷設工事が完成しました。以前は洗濯は島の中央部を流れる表流水を利用していました。 
   
 
洗濯場  時計台 
時計台は、富山の薬屋さんが島の中央に寄付したものといわれています。当時は島唯一の時計であったといいます。 

<鏡石>
昔、女達が古里の浜へ船を引き上げにいく時、きまって鏡石に立ちより、そのピカピカ光る石に顔をうつして、髪を整えてから、愛しい人が船で帰るのを待ったものだといいます。
    
 

<神島から鳥羽へ>
神島漁港から鳥羽の佐田浜の鳥羽マリンターミナルへ鳥羽市営定期船で帰りました。神島と鳥羽の間は、定期船が1日4便運行しています。午後は15時50分発だけなので、行きと同じ乗客を多く見かけました。 
    
 
港を出港するとき、おじいちゃん、おばあちゃんと別れを惜しみ、手を振っている子どもたちがいました。 
神島から少し離れると神島の西方向からの全景が見えました。 
    
菅島灯台 
 
菅島 高速船「しおさい」 
途中、菅島に寄港しました。菅島は、現役では日本最古のレンガ造りの灯台のある島です。また菅島では、毎年7月に、伊勢志摩地方を代表する海女の祭り“しろんご祭り”が開催されることで知られています。帰りは、双胴高速船「しおさい」に乗りました。  
(2021.9.23撮影)
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