鋸山
鋸山は、切り立った岩肌が特徴で、標高約329mです。正式名称は、乾坤山(けんこんざん)と言います。かつては建築資材などとして盛んに採石が行われていたため、岩が露出した鋸のような山となりました。山頂部分が鋸の歯の様にギザギザであることが、「鋸山」と呼ばれています。
鋸山は全体が日本寺の境内となっています。日本寺は725年に行基が開山した関東最古の山寺で、日本一大きな大仏もあります。
鋸山山頂に行くには、鋸山ロープウェイで行く、車で行く、登山道を登る、表参道を登るなど、いくつかの方法があります。今回は、鋸山ロープウェイで登り、山頂と日本寺境内を巡り、表参道で下山しました。 |
<浜金谷駅>
JR内房線浜金谷駅で下車して鋸山ロープウェイ山麓駅まで歩きました。 |
浜金谷駅 | ||
浜金谷駅から見た鋸山方面 | 金谷神社 |
<鋸山ロープウェイ>
鋸山ロープウェイで、鋸山山麓駅(標高106m)から鋸山山頂駅(標高329m)までを3分18秒で一気に登りました。 |
鋸山山麓駅 | 山頂駅付近 |
ロープウェイに乗り、東京湾と金谷港の絶景を見ながら、空中散歩を楽しみました。山頂駅手前からは、石切場の絶景が見えました。 |
鋸山山頂(標高329m)です。 | 勝山海岸や浮島が見えました。 |
東京湾、浦賀水道、遠くに三浦半島が見えました。 |
日本寺は約1300年前、聖武天皇の勅詔を受けて、行基菩薩によって開かれた関東最古の勅願所です。正式名は乾坤山日本寺です。鋸山の南側斜面10万坪余りを境内としています。豊かな自然の中を散策しながら、大仏、百尺観音像、千五百羅漢石像群などをお参りすることができます。 |
日本寺西口から入りました | |
百尺観音は、太平洋戦争の戦没者や交通犠牲者の供養のために彫られた観音菩薩像です。房州石の石切場跡に彫られた神秘的な磨崖仏です。高さが百尺(約30m)あります。昭和35年から6年の歳月をかけて彫られました。航海、航空、陸上交通の安全を守る本尊として崇めらています。 |
門のような石壁の間から地獄のぞきが見えました。 |
鋸山はかつて「房州石」と呼ばれる良質な石の産地でした。環境保護の観点から現在は石の生産は行われていませんが、石を切り出した石切り場と呼ばれる跡地がいくつか残されています。この石切り場の風景が、ジブリ映画の『天空の城ラピュタ』に出てくるシーンとそっくりなため、いつしかネット上で「ラピュタの壁」と呼ばれ、観光客が集まるようになりました。 |
ラピュタの壁と呼ばれるこの絶壁は最大垂直面96mの石切場跡です。その絶景はまるで古代遺跡、天空の城壁といった面持ちがあります。 |
垂直に石が切り出されています。 | 切り出された石の断面 |
鋸山は、火山噴出物が海底で長い年月をかけて固まった凝灰岩でできています。加工しやすくまた耐火性があり竃や七輪などにも使われ庶民に親しまれました。「房州石」と呼ばれたこの石は建築資材に適し、江戸時代中頃から明治から大正にかけての最盛期には年間約56万本が切り出されました。今でも麓の町金谷では、石塀、門柱、蔵、建物の土台、灯篭などに房州石が使用されています。 |
地獄のぞきは、高さ100mの岩場から突き出している大迫力の展望台で、鋸山のシンボルとなっています。かつて石切場だった場所です。人工的に造られた断崖のため、地上まで垂直に落ち込んでいるので迫力がありスリル満点です。高さ100mほどあるので25階建ビルの屋上に立って下を見ている感覚になります。 |
手すりが取り付けられています。 | |
人気の写真スポットになっています。 | 下をのぞくと100m下の絶壁が見えます。 |
南房総の海岸線が見えました。 | 垂直に石が切り出された絶壁の上を歩きました。 |
大仏広場から山頂までのルートには「東海千五百羅漢」と呼ばれる多くの石像群が安置されています。これらの石像は1780年愚伝和尚の大願により大野甚五郎英令が門弟27人とともに20年間の歳月をかけて彫ったもので、世界一の数です。多くは明治の廃仏毀釈運動で頭を壊されましたが、「羅漢様お首つなぎ」事業によって多くは復元しています。 |
西国観音 |
二天門 |
百躰観音 |
大野英令之墓 |
あせかき不動 | |
日牌堂 | 宝筐印塔 |
べき蘿洞 | |
奥の院無漏窟入口 | 奥の院無漏窟 |
維摩窟 |
聖徳太子 |
不動滝 | 護摩窟 |
大仏(薬師瑠璃光如来)は世界平和、万世太平を祈願し、1783年に大野甚五郎英令が27人の門徒と岩山を3年かけて彫刻したものが原型です。その後昭和41年に4ヶ年にわたって修復されました。 |
大仏は、石造の露座で、総高31.05m,丈21.3mです、 奈良・鎌倉の大仏より大きく、日本最大の仏像(座像)です。 |
お願い地蔵尊 |
お願い地蔵尊は、大仏広場に安置され、様々な願いを込められた小さなお地蔵様に取り囲まれています。 |
源氏不動 | |
大黒堂 |
乾坤稲荷 | ||
薬師本殿医王殿 |
大蘇鉄と達磨石 |
大蘇鉄は、源頼朝が再起を図った折に日本寺で武運を祈願し、自ら蘇鉄を手植えしたと伝えられています。樹齢800年を超え ています。 |
呑海楼 | ||
観音堂 | 心字池 |
観音堂 元禄十三年の建立です。 安房国札八番の十一面千手観音像が祀られています。 |
表参道入口 | |
弘法井 | 仁王門 |
仁王門は元禄七年の再建です。仁王門の偏額「乾坤山」は韓国の王族 李埈鎔公の書です。 |
表参道で下山しました。 | 蝸牛石 |
保田駅からJR内房線に乗って帰りました。パンフレットには仁王門から保田駅まで歩いて約45分となっていました。 |
保田駅からふり返ってみました。 | 保田駅 |