長瀞

  埼玉県長瀞は、東京都心から約2時間の自然の美しさに囲まれた観光地です。1924年に「長瀞」名義で国の名勝及び天然記念物に指定されています。長瀞町全体が長瀞玉淀自然公園に指定されており、その中心を流れる荒川の両岸は美しい景色や自然に囲まれています。 

<長瀞ライン下り>

長瀞ライン下りは、国の特別天然記念物に指定された秩父長瀞の岩畳の中をゆったりのんびりと、ときにはスリリングに、川下りを行うことができます。
親鼻橋から岩畳(Aコース/約3キロ)と、岩畳から高砂橋(Bコース/約3キロ)と全長約6キロを2区間に分けて運航されています。今回はBコースに乗船しました。 
 
 
長瀞ライン下りの船頭は、2名1組のペアを組み就業しています。船首(ハナ)が親方、船尾(トモ)が若手で、舵っ引きです。船頭さんの話が面白く、楽しませてくれました。
 
荒川の岩壁の自然が創りあげた景観を眺めながら、蛇行する緩急の流れを楽しみました。
 
急流スポット「大河瀬」があるなど、水しぶきが上がり、スリルが楽しめます。 
 
 
川岸の紅葉を眺めながらライン下りを楽しむことができました。 
 
ゾウ岩です。  カエル岩です。 
 
 
終着地に着くと、船をクレーンで引き上げ、トラックに載せて出発地に運びます。 

<長瀞渓谷>
長瀞渓谷は、秩父地方荒川上流部全長約6kmの渓谷です。岩畳など岩石の間を緩やかな流れ(瀞)が長く続くことから、長瀞と呼ばれてきました。長瀞を代表する景観、岩畳は幅80メートル、長さ500メートルにわたる広大な自然岩石です。露出した岩石は段丘をつくり、その名の通り一面に畳を敷き詰めたかのようです。 
長瀞一帯は遥か昔、海の底にありました。海底に堆積した火山噴出物や泥、砂などが白亜紀(約8000万年前頃)にプレートの動きによって、さらに20〜30km以上もの底に沈んでいきました。その時、沈んだ堆積物に大きな圧力が加わり結晶片岩ができました。それらが長い年月をかけて、地殻変動などによって再び地表へ現れ、そこを流れる荒川によって侵食を受け、長瀞渓谷の今の姿を作り出しました。 
 
 
岩畳の対岸には高さは最大で50m超、長さ約500mにわたって続く石英片岩を含んだ岸壁があり、秩父赤壁と呼ばれています。断層に沿って流れる荒川の侵食によってできました。
   
 
岩畳の片岩表面には、縦横に節理が見られます。地中から上昇して地表に現れる過程で、岩石にかかる圧力がゆるみ、その結果、岩が膨張して碁盤の目のような亀裂を生じたものです。岩石は、片理や節理に沿って割れやすい性質をもっているため、荒川が層や割れ目にそって流れたことで侵食され、岩畳が形成されました。
 
  ポットホールがありました。
ポットホールは、河床の窪みに挟まった石が、激しい川の流れによって長期間にわたり回転することで削られた穴です。甌穴(おうけつ)ともいいます。 
太古の地中深くで起こった地球規模の地殻変動によって生まれた岩石を目視できることから、長瀞は「地球の窓」と呼ばれています。  
   
 
 

<月の石もみじ公園>
月の石もみじ公園は、高浜虚子の「ここに我句を留むべき月の石」と書かれた句碑に由来する公園で、紅葉で大変有名になっています。 
 
多くの種類の木々が植えられているため、真っ赤な紅葉から黄色、オレンジなど色合いが豊かな紅葉を堪能できます。 
 
 
  高浜虚子の句碑です。 
   
月の石もみじ公園はイロハモミジを中心にクヌギ、モミがあり、約2000平方メートルの公園です。紅葉の見頃のときは、ライトアップが行われ、約150球のLEDライトを点灯し、モミジや木々を下から照らして幻想的な世界を作り出します。 

<埼玉県立自然の博物館>
埼玉県立自然の博物館は、日本列島形成の歴史から秩父地域の大地の成り立ちがわかりやすく学べ、貴重な岩石標本の数も豊富です。
    
 
  日本地質学発祥の地の碑 

(2021.11.15撮影)
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