東尋坊2022春

  東尋坊は、越前加賀海岸国定公園にある国の天然記念物です。巨大な柱状の岩(柱状節理)が織り成す、海岸線に広がる豪快な景観が特徴です。東尋坊を構成する岩は、輝石安山岩の柱状節理で、これだけ大規模な輝石安山岩の柱状節理は世界的に珍しく、朝鮮半島の金剛山・スカンジナビアのノルウェー西海岸と並ぶ、世界三大柱状節理の一つで、地質学的に大変貴重な場所です。 
東尋坊は、約1kmにわたりって豪快な断崖が広がり、絶壁に日本海の荒波が打ち寄せる景色知られています。このような景色を形作る、広範な柱状節理は、世界で3ヶ所しかない地質学的に大変貴重な場所です。東尋坊先端に浮かぶ雄島とともに日本の天然記念物に指定されています。 
 
 
東尋坊の由来は、昔話からで、ある暴僧・東尋坊が泥酔したところを恋敵にこの崖から落とされたことにより、49日間海が大荒れだったことからその名前がつけられたと言われています。 
東尋坊の成り立ちは、約1300万年前に、マグマが地表近くまで上昇し、地中の中で冷えて固まりました。この冷えて固まる過程で、五角形や六角形の柱状に形成されました。その後、地殻変動により岩が地表に現れ、現れた岩は、波や風により、柔らかい部分が削られたり浸食されたりして、現在の形になりました。 
 
  上空から見た東尋坊(google mapより) 
上空から東尋坊を見ると、海に足の指のように飛び出していることがわかります。ライオン岩、屏風岩、軍艦岩、亀岩、千丈敷、ろうそく岩、七つ岩などの奇岩もあります。 
東尋坊は、日本海に面した海食崖で、険しい岩壁が続き、最も高い場所で約25mの垂直の崖があります。遊歩道を歩いてスリルある景色を楽しむことができます。
 
 
遊覧船で海から断崖を見ることができます。高さ23メートルもある東尋坊の断崖絶壁を海から見上げられるのは遊覧船の醍醐味です。
溶岩が冷え固まったときにできたといわれる柱状の岩は非常に硬く、東尋坊の景観は、この岩々が日本海の荒波に耐え、長い年月をかけて作り上げた芸術品ともいえるものです。
 
この景観は今から約1,200 - 1,300万年前の新生代第三紀中新世に起こった火山活動で、マグマが堆積岩層中に貫入して冷え固まってできた火山岩が、日本海の波による侵食を受け地上に現れたものです。
   
雄島が見えました。赤い雄島橋で結ばれています。真っ赤な橋と青い海のコントラストが鮮やかです。雄島は1,200万年前に噴出してできた岩石島です。標高は27m、周囲は2kmという越前海岸で一番大きな島です。 
 
  雄島の柱状節理 
雄島の柱状・板状節理は、流紋岩でできています。雄島の外側には、下から見るとまるで蜂の巣のようになっている岩もあります。 
東尋坊の火山岩は白色の斜長石の斑晶や暗緑色の輝石の斑晶を含む東尋坊安山岩で、マグマが冷えて固まるときにできた五 - 六角形の柱状の割れ目(柱状節理)がよく発達しています。
 

(2022.5.25撮影)
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