間垣集落

 間垣は、ニガタケという約5mの細い竹を縦に差して組まれており、夏は適度な日陰をつくり、冬は冷たい強風を防ぐとても機能的なものです。急峻な山が日本海に直接迫る能登半島北端にある輪島市大沢町・上大沢町では、海からの強い季節風から家々を守るため、竹を組んで作られた間垣と呼ばれる垣根で集落を囲み、今日まで生活をしてきました。 


<大沢>

大沢の集落は、海に面した入江に位置していて、北を除く三方を山に囲まれていることから、冬には猛烈な北風が海から吹きつける厳しい環境にあります。そのため集落の外周部には高さ4~5メートルの細いニガタケを垂直に立てた間垣と呼ばれる防風壁が築かれていて、波風から集落を守っています。 
間垣を用いた街並みは、能登の里山里海の生活生業を知るうえで欠くことができない文化的景観です。 
 
 
   
 
かつては多くの集落に見られましたが、現在も良い状態で残っているのは大沢、上大沢地域のみとなっていて、重要です。 
    
 
  静浦神社 
   
 
半円形の小弯に家屋が密集しています。大沢集落は、山と海に囲まれた狭い平地に存在し、背後の山々に点在する棚田での農業と全面に広がる豊かな海での漁業により人々が暮らしており、半農半漁の生活です。 
    
 
家々が肩を寄せ合うように建っていて,能登旅情がいっぱいです。家への入口や車庫の入口の部分だけ「間垣」がくり抜いてあります。
    
 

<上大沢>

上大沢は入江奥の砂浜であるマエハマから西二又川に沿った狭い土地に約20戸が建ち並んでいます。集落の背後には断崖が迫っており、険しい地形は刑部岬へと続いています。上大沢集落には間垣に加えて防風林としてヨノミの木が植えられているのが特徴的です。 
    
 
背後に切り立った山と西二又川の間に家が連なる上大沢集落です。間垣の内側にはヨノミの木が植えられています。
川に沿った細長い土地に家々が建ち並んでいます。その家を取り囲む竹の垣根の間垣が、竹ぼうきを大量に立てているかのような、独特な光景です。間垣の内側には、日本海側の漁村らしい黒瓦の屋根が見え隠れしています。  
    
 


<男女滝(なめたき)
向かって左側がゆるやかな流れが連なる「女滝」(本滝)、右側が急傾斜で流れ落ちる「男滝」(支流)で、夫婦のように寄り添って一本の流れになる美しい滝です。 
 

(2022.5.24撮影)
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