河野北前船主通り

河野は、敦賀湾の入口の側面に位置していて、敦賀と日本海を行き交う海上交通上の要衝の役割を果たしてきました。その当時、買積み廻船として大きな財を築いた右近家、中村家の屋敷を中心とした200mほどの通りは、河野北前船主通りと呼ばれ、北前船が栄えたかつての賑わいや歴史を垣間みることができます。


<北前船主の館右近家>

北前船主の館 右近家は、江戸後期~明治中期にかけて、日本海・瀬戸内海・上方の諸地域間の物資の流通や文化の交流に重要な役割を果たした北前船船主右近権左衛門家の邸宅です。
 右近家の敷地内には、河野北前船主通りをはさんで山側に本宅と3棟の内蔵、海側に4棟の外蔵が建っています。
    
 
右近家の始まりは、江戸時代前期1680年に、菩提寺である金相寺から土地、屋敷、そして小さな船を1艘等を譲り受け独立し、右近権左衛門家となりました。
    
 
北前船の商いは常に危険との隣り合わせで商品の価格変動による損益や、海難に見舞われることもありましたが、9代目権左衛門の時代には大きな北前船を11艘所有し、利益は1200両にも昇りました。 10代目権左衛門の時代には、17艘の北前船で積石数は18,000石を超え、大船団となりました。
<旧右近家住宅西洋館>
高台から日本海と集落の絶景を見渡すことができる西洋館は右近家の別荘として昭和10年に建てられ、国の登録有形文化財に登録されています。 
    
 
外観は洋風、屋根は茶色のスペイン瓦が葺かれ、1階の外観はスパニッシュ様式、2階部分はスイスのシャレー風、室内にはイギリスのイングルヌックと呼ばれる暖炉を備えたホールが設えられるなど、 和と洋が入り交じった大変めずらしい造りになっています。
    
 
2階のベランダから、日本海、丹後半島、越前海岸の眺望を楽しめます。  
西洋館の入口からの眺めです。北前船主の館が並んでいます。 


<北前船主通り>

    
 
  中村家住宅 
中村家は伊予国河野水軍の流れを汲み、南北朝時代の金ヶ崎合戦では南朝方新田義貞の傘下として戦いに加わり、その後河野浦の移り住んだと伝えられています。江戸時代中期から廻船業を創業し、右近権左衛門家とともに日本海沿岸有数の北前船主として隆盛を誇りました。 
    
中村家分家 
 
  刀禰家 
    
 船主の菩提寺金相寺
 
  北前船のモニュメント 
敦賀半島が見えました。 


<越前陶芸村>
越前陶芸村は、1971年に誕生した越前焼と越前の山里の魅力を体感できる施設です。越前焼は日本六古窯(備前焼、信楽焼、常滑焼、瀬戸焼、丹波焼、越前焼)の一つに数えられ、その歴史は古く、今から約850年前平安末期に遡ります。
越前陶芸村は、都市公園100選に選ばれているその広大な越前陶芸公園を中心に、福井県陶芸館、越前古窯博物館、越前焼の販売所、そば処、文化交流会館などがあります。

【福井県陶芸館】
福井県陶芸館は、1971年に越前陶芸村の中心施設として開館しました。越前焼の歴史や特徴を見て学ぶ「資料館」、越前の土を使って作る「陶芸教室」、越前焼を使って味わう「茶苑」の3施設があります。 
 
 
 
 
日本庭園の幽石庭を眺めながら陶芸作品を見ることができます。  

【越前古窯博物館】
越前焼は、焼き締めや自然釉が特徴のひとつで、素朴なぬくもりがあります。日本六古窯の一つとして、日本遺産にも認定されています。越前古窯博物館は越前古窯研究の第一人者、水野九右衛門氏が研究の過程で収集した資料を公開する越前焼の研究拠点です。 
    
 
    
 
旧水野家住宅   
    
 
茶室の天心庵   天心堂 

【越前焼の館】
越前焼工業協同組合の運営する窯元直売所です。日本六古窯のひとつ「越前焼」の魅力がいっぱいの直売所で、越前焼の窯元の商品や作品を一堂に展示即売しています。 
    
 

(2021.5.11撮影)
HOME