瑞浪の3つのギネス認定世界一

  瑞浪市には、3つのギネス認定「世界一」があると聞いて探しに行きました。「世界一の大皿」「世界一の美濃焼狛犬」「世界一の茶壺」です。陶工のいる街ならではの3つの「世界一」です。長い歴史を持つ美濃焼という伝統産業を活かして、地元住民が一丸となって作りあげたそうです。
 日本有数の焼き物の産地である岐阜県東濃地方は現在でも多くの窯が残り「美濃焼」を地場産業として栄えてきました。千利休が好んだ「瀬戸黒」や古田織部の好みを色濃く反映した「織部」なども、この地で作られ、長い焼き物文化の歴史を持つ地域なのです。

<世界一の茶壺>

高さ5.4m・直径4m、世界一の大きさ(ギネス認定)を誇る茶つぼは、粘土32tを使用した陶土の焼き物です。粘土で壺を作ってから、まわりに窯を造り、煙突をつなげて薪で焼き上げ、窯を壊して、壺が出来上がるという壮大なプロジェクトでした。
この茶壺は「豊穣の壺」と名付けられています。羽柴与左衛門景度が作った茶壺がモデルとなり、住民の明るい未来への願いが込められています。 
 
 
  制作過程です。(パネルより) 
10,000束の薪を燃料とし、300時間(約13日)をかけて焼成をし、地元住人延べ12,000人の協力のもと、1年間の製作期間を経て平成11年(1999年)に完成しました。  


<世界一の美濃焼狛犬>

世界一(ギネス認定)の美濃焼こま犬は、粘土が15トン使用され、高さが約3.3メートルあります。大川窯四代目羽柴与左衛門景度の作品をモデルに、瑞浪市制35周年・高浜市との姉妹都市提携を記念して、平成2年(1990年)に地元の人々の力の集結により製作されたものです。 
八王子神社の鳥居の隣に、巨大な狛犬が鎮座しています。 
 
煙突 
 
  八王子神社 
八王子神社は別名「狛犬神社」とも呼ばれ、たくさんの狛犬が奉納されています。石製の狛犬が主流ですが、この地では窯業が盛んだったため、江戸時代中期以降、陶磁器製の狛犬が盛んに作られました。 
   
 
制作過程です。(パネルより)  焚き口跡。狛犬の尻尾が見えています。 
先に狛犬を成形し、狛犬を覆うように、更に巨大が窯を作りました。ドラム缶9本をつないで作られた煙突にある窯に火が入ったら、5,000束の松割木を約12日間(焼成時間273時間)住民総出で焚き続けました。その後、1週間かけてゆっくりと窯を冷やし、窯を壊した中から焼き上がった狛犬が姿を現したのが、制作開始から約5ヵ月後でした。今でも、窯の一部と焚き口跡が残されています。  

<世界一の大皿>
「世界一の大皿」としてギネスに認定されているのが「瑞祥」と名付けられた美濃焼のお皿です。大皿は、直径2.8メートル、高さ30センチ、重さ1.2トンの大きさで、平成8年に制作されました。地元住民およそ150人が作業に携わり、10ヶ月の作業期間を経て、約1200度で1週間かけて焼き上げました。地元住民による「ふるさと稲津いきいき会」の活動の一環として、まちおこし、文化育成を目的に作られたものです。
絵付けに使われた筆と共に、瑞祥記念館に展示されています。大皿の製造工程も当時の写真を使い説明されています。 
   
 
瑞祥記念館   
世界一の大皿は、稲津町小里の荷機稲荷神社にあります。 広大な境内の中に、「瑞祥記念館」があり、その中に展示されています。  
 
 
荷機稲荷神社   
荷機稲荷神社は天明の大飢饉(1782年)の際、京都の伏見稲荷に祭神を勧請し、1804年に創建された神社で、家内安全や五穀豊穣の守り神として地元の方々から敬われています。 



<日本一の水車>

道の駅『おばあちゃん市・山岡』 にある日本一巨大な水車は、直径は24mもあり、木造水車としては日本一の大きさを誇っています。
元々この地域では、古くから陶石を細かく砕くために水車が利用されていました。しかし小里川ダムの建設により水没することになったため、地元の産業遺産を残すことを目的に、モニュメントとしてこの木製水車が建てられました。 
 
 
日本一の水車  興運橋 

<小里川ダム>

小里川は伊勢湾に注ぐ土岐川(庄内川)の支流です。源は恵那市山岡町の天爆山で、瑞浪市土岐町で土岐川に合流します。小里川ダムは、合流点の上流8.3㎞に多目的ダムとして建設された、堤高114mの東濃で最高のダムです。ダムの中を自由に見学できる日本でも珍しいダムです。 
小里川ダムとおりがわ湖 
小里川ダムは、洪水調節を行い、河川環境の保全などのための流量の確保を図 り、発電を行うことを目的としています。 
 
 
ダムの上から見下ろすと迫力満点です。  小里川ダム管理支所 
ダムは、重力式コンクリートダムで堤高が114mあります。

(2022.12.13撮影)
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