篠島

 篠島は愛知県の離島の一つです。知多半島と渥美半島に囲まれる三河湾には有人の島が3つあり、北から佐久島、日間賀島、そして篠島と並びます。島へ渡るには河和港から名鉄海上観光船で25分、師崎港からは高速船で10分ほどで、名古屋からのアクセスのよさが人気となっています。 
師崎港から高速船で篠島に行きました。南知多町の本土との最短距離は約3kmなので、船に乗るとすぐに島が見えてきます。篠島は周囲約8kmの細長い島です。 
    
この高速船で行きました。 
 
島の駅の前には大きな鯛のオブジェがありました。  篠島に着きました。 
日本書紀によると、伊勢神宮を建立した天皇の一行が船で伊勢湾を旅していたときに篠島に立ち寄りました。その際にここの海産物特に鯛を気に入り、ぜひ、伊勢神宮へ献上してみて下さいと言われ、伊勢に旅立っていったと書かれています。それ以来、千年以上に渡って毎年3回、白装束に身を包んだ島の神職が島で採れた鯛を塩づけに調製し、船団を仕立てて対岸の伊勢神宮内宮へ献上しています。この鯛のことを「おんべ鯛」といいます。
 港には漁船が並んでいました。


【城山、水神天宮】

源平合戦が盛んだった頃に、室賀左近太夫秋季が篠島に築いたとされるのが篠島城です。後の1338年、義良親王が東北への遠征の際、嵐に見舞われ篠島に漂着し、島民が篠島城を大急ぎで修理して、ここを仮住まいにしたという逸話が残されています。篠島城はその後廃城となり、その跡地は城山と呼ばれるようになりました。
    
 
水神天宮を祀った一帯が城山で、その昔の室賀氏の城跡です。島に漂着した義良親王はこの城を御座所としました。
琴平神社、野島大明神、城山水神天狗などの石碑が所狭しと建立されていて、他では見られない異質な空間です。
    
 

【サンサンビーチ】
サンサンビーチは、島の人たちは前浜(ないば)とも呼び、昔は神風ヶ浜とも呼ばれていました。県下随一の公害のない海水浴場で、美しい砂浜が800mあまりも続きます。 
 

【松寿寺】
松寿寺は、1542年に雪天俊盛和尚によって開山されました。知多郡は弘法大師(空海)信仰が篤く、1925年に知多半島一円に開設された四国直伝弘法八十八ヶ所霊場の第47番札所となっています。
    
 
松寿寺は高台にあり、三河湾のすばらしい景色を眺めることができます。
篠島は東海の松島と呼ばれ、変化に富んだ海岸線が美しく風光明媚な島です。サンサンビーチは、港と反対の東側に位置する海水浴場で、緩やかに弧を描いて続く天然の砂浜が続きます。


【神明神社】
篠島の中心地に位置する神明神社は、毎年「御幣鯛(塩漬けの鯛)」の奉納を行うなど1200年以上伊勢神宮と深い縁でつながっています。伊勢神宮で20年に1回行われる「式年遷宮」で、それまでに伊勢神宮の社に使われていた材料は篠島の神社に移築されます。篠島では伊勢神宮の1年後にその「御遷宮」がお下がりの材料で行われます。  
 

【八王子社】
八王子社は海の神であり、船の神として尊信されています。伊勢神宮の遷宮後に下賜される古材で神明神社が作られ、さらにその古材で八王子社が作られることになっています。 
 
 
八王子社は男性神、神明神社は女性神です。正月祭礼では男性神が女性神の元へオワタリを行います。このことから神明神社と八王子社を結ぶ道は「恋の道」として有名です。  


【恋人の聖地ささやきの鐘】
サンサンビーチには、恋人の聖地「ささやきの鐘」があります。海水浴場沿いに「サテライトスポット」としてモニュメントが建てられました。モニュメントには『愛鍵』がかけられます 
    
 
遠浅で波も穏やかなのでファミリー層の利用に最適です。渥美半島を眺めながら海水浴が楽しめ、島ならではの自然の魅力を味わえるビーチです。  
    
 

【太一岬キラキラ展望台】
島の最南端まで足を運ぶと、太一岬があり、立派な鳥居が建っています。そこは「伊勢神宮遥拝所」です。鳥居を真正面に海を向くと、その先には伊勢神宮があります。 そんなきれいな景色が良く見えるようにキラキラ展望台があります。その太一岬キラキラ展望台は、恋人の聖地として選定されました。
    
松島 
 
恋人の聖地祈りの鐘  野島 
   
神島 
 
   
伊勢神宮が見える方向です。 
 
【歌碑公園展望台】
歌碑公園展望台には、万葉集の歌碑が建てられています。展望台もあり、清正の枕石・日本夕日百選に選ばれた松島が見え、遠くには、鳥羽・神島など見えます。 
 
  寛永時代の燈台 

【帝井】
義良親王(のちの後村上天皇)が嵐の中、篠島に漂着し、親王の飲用にと掘られた井戸が帝井です。
    
西方寺 
 

【医徳院】
篠島の照浜より引きあげられたといわれる薬師如来がまつられる寺院です。八王子社のこま犬が薬師如堂の前に安置されています。
    
 

(2022.10.24撮影)
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