志段味古墳群

  志段味古墳群は、尾張戸神社が鎮座する市内最高峰の東谷山頂から山裾、庄内川に沿って広がる河岸段丘に東西1.7km、南北1kmにわたって分布しています。主に4世紀から7世紀にかけて作られたもので、さまざまな大きさと形の古墳がが1つのエリアに集まっています。守山区上志段味は1700年前、庄内川の河川交通と陸路が交わる交通の要所として栄えていて、最初の王は、ヤマト王権と同盟を結びました。その王の墓「白鳥塚古墳」が造られたのち、東谷山周辺はおよそ400年間古墳が造られたのです。  


<東谷山白鳥古墳>

東谷山白鳥古墳は、6世紀末~7世紀初めに築造された直径約17mの円墳です。横穴式石室が、志段味古墳群の群集墳のなかで唯一、ほぼ完全な状態で残っています。
 
 
横穴式石室は長さ7.4メートルで、奥壁・側壁とも比較的小さい石を積み上げています。石室の形は、石室の幅が奥から入口に向かって徐々に狭まっています。
裏から見た東谷山白鳥古墳です。円墳の形がはっきりとわかります。 


<白鳥塚古墳>

白鳥塚古墳は、4世紀前半に築造されたもので、県内では、最初に造られた大型前方後円墳です。墳長は約115mで、後円部は直径約75mあります。墳丘の形は、後円部に比べて前方部が細くかつ短いのが特徴で、大王墓の奈良県柳本行燈山古墳に似ています。
    
 
白鳥塚古墳は、志段味古墳群の中で最も大きく最初に造られた古墳です。 
左が前方部で右が後円部です。 
    
 
後円部頂部に石英が敷かれています。 
    
斜面の葺石の上には多量の石英がまかれ、墳丘が飾られていました。石英で白く輝いていた外観が、白鳥塚の名称の由来となったと言われています。  


<しだみ古墳群ミュージアム>

しだみ古墳群ミュージアムは、2019年4月1日にオープンし、志段味古墳群の出土品の収蔵・展示をしています。
    
 
しだみ古墳群ミュージアムの玄関です。  展示コーナーです。 
   
収納庫の中をのぞけます。  鈴鏡です。  古墳エリアに直接入れます。 

<志段味大塚古墳>
志段味大塚古墳は、5世紀後半に築造された 帆立貝式古墳です。墳長約51m、後円部径約39m、前方部長約13mです。
復元され、古墳の上に立って東谷山と志段味古墳群を眺めることができました。 
   
 
  円筒埴輪と・蓋形埴輪です。 
    
 
当時の埴輪列が復元されています。 木棺のあった上には木棺が復元されています。 

<大久手3号墳、西大久手古墳>
大久手3号墳は、5世紀後半築造の方墳です。低い方形の墳丘がよくわかりました。
西大久手古墳は、5世紀中頃築造、墳長約37mの帆立貝式古墳です。巫女形埴輪、鶏形埴輪、須恵器、馬形埴輪などが出土しています。西大久手古墳の巫女形埴輪は、東日本で最も古い人物埴輪と評価されています。
    
 
大久手3号墳です。  西大久手古墳は発掘調査中でした。 

<東大久手古墳>
東大久手古墳は、5世紀末築造、墳長39mの帆立貝式古墳です。墳丘の土盛りの大半は削られていますが、後円部の一段目の埴輪列は、築造当時の場所で残っていました。 
    
 
  のぞき箱の復元図 

<大久手5号墳>
大久手5号墳は、5世紀後半に築造された墳長38mの帆立貝式古墳です。 
   
  のぞき箱で復元図がよくわかりました。 

<大塚2、3号墳>
大塚2号墳は、5世紀末から6世紀初めに築造された小型の円墳です。
大塚3号墳は、5世紀後半に築造された直径約19mの円墳です。  
   
大塚2号墳です。 大塚3号墳です。 

<上志段味ふる里広場>
区画整理事業に伴い石碑や石仏、社を移転、集合させたものです。 
   
(2020.11.23撮影)
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