エレファンタ島 Elephanta Island
エレファンタ島は、インド西部の最大都市ムンバイ近海のアラビア海に浮かぶ島です。 エレファンタ島の標高約200mの岩山にエレファンタ石窟群があり、ヒンドゥー教の最高神の1人シヴァ神を祀っています。ここはシヴァ神信仰の中心地で、特に巨大な「三面のシヴァ神の胸像」は、ヒンドゥー教芸術の傑作の一つです。
エレファンタ島 |
島の「エレファンタ」という名前はゾウが由来になっています。しかし、この島にゾウが生息している訳でもなく、島の形がゾウに見えるわけでもありません。1534年、ムンバイ(当時はボンベイ)がポルトガル統治下となると、ポルトガル人が島を訪れました。その際にゾウの石像を見つけたため、ガーラープリ島と呼ばれていたこの島を、エレファンタ島(ポルトガル語でゾウの意味)と名付けました。しかし、ポルトガル人たちは島にあった石像を銃の練習台とし、ほとんどを破壊してしまいました。 |
エレファンタ島へは、インド門の裏側(海側)から船に乗っていきました。船は2階建てで、乗船時間は1時間程度した。かなりゆっくりの速度でした。 |
船内 | |
この船に乗りました。 | 船内の物売り |
船からインド門とタージマハルホテルが見えました。 |
エレファンタ島の桟橋に着いてから参道の入口まで、ミニSLに乗りました。 |
参道の入口から石窟寺院まで長い上り階段が続きました。階段の両脇には土産物店が建ち並んでいました。 |
「エレファンタ島の石窟寺院群」は、ムンバイの沖に浮かぶエレファンタ島の山の上に作られたシヴァ神を祀る石窟寺院で、制作時期は6~8世紀の間とされています。1987年、世界遺産に登録されました。 |
エレファンタ島石窟寺院 第1窟を正面入口 |
エレファンタ石窟群には7つの寺院がありますが、状態が良いものは第1窟です。そしてこの石窟が最も大きいものです。 |
エレファンタ石窟群入口 | マハヨギ |
マハヨギは、ヨガ修行者としてのシヴァ神の姿です。シヴァ神は蓮の花の上に座り、目を閉じて蓮の花のポーズをしながら深く瞑想する様子が描かれています。 |
エレファンタ石窟群、アジャンター石窟群、エローラ石窟群を合わせてインド三大石窟と呼ばれています。 |
ナタラジャ | ガンガーダラ |
ナタラジャは踊りの王としてのシヴァ神の姿で、宇宙の舞いを踊りながら宇宙を破壊しては創造している様子が描かれています。ガンガーダラは、天から落ちるガンジス川をシヴァ神が自分の頭上で受け止めている様子を描いています。 |
サダシヴァ |
正面の入り口から入り、奥の壁に向かってまっすぐ進むと、その目の前に高さ5.5メートルの巨大な3つの頭が現れます。これが最高神シヴァの本当の姿、「サダシヴァ」としてのシヴァ神です。 |
サダシヴァ |
3つの頭は、シヴァ神の3つの重要な側面を表しています。左は破壊神、中央は瞑想、右は守護神となっていて、さまざまな役割を持つシヴァの側面が見事に表現されています。 |
シヴァ寺院とリンガ | アンダカーンタカムールティ |
第1窟の中央右側には、シヴァ神の寺院があり、東西南北4つの入り口には巨大な門番が立っています。寺院内部には、シヴァ神の男根である「シヴァ・リンガ」が祀られています。アンダカーンタカムールティは、インド神話の場面で、魔王アンダカを退治しているシヴァ神の様子を描いています。 |
シヴァ寺院 | アルダナーリーシュヴァラ |
アルダナーリーシュヴァラは、右半身(写真左側)がシヴァ神、左半身(写真右側)がシヴァ神の妻のパールヴァーティーの姿をしています。男性と女性の合体像は神の一体を表現し、全てのものは元は一つであるということを意味しています。 |
メインホールの主堂は正方形で、一辺が40mあり、これを中心にして東院と西院が造られています。高い天井を30本の列柱が支えています。壁面には古代インドの叙事詩をモチーフにした、多くのレリーフが見られます。 |
カルヤナースンドラムールティ |
カルヤナースンドラムールティ は、シヴァ神と妻のパールヴァーティー神の結婚式の場面を描いています。 |
エレファンタ島には高さ200m程度の2つの岩山があり、東側の岩山には2か所、西側には5か所、合計7か所の石窟があります。岩山を掘ってこのような寺院や彫刻が造られたのは驚きです。 |