オランガバード Aurangabad
オランガバードは、ムンバイから北東約350kmのデカン高原にあります。アウランガバードとも呼ばれ、名前は17世紀にインドを統括していたムガル帝国のアウラングゼーブ氏の名前に由来しています。アジャンター遺跡、エローラの石窟寺院にアクセスするためのスタート地点として欠かせない場所です。
<ビービー ・カ・ マクバラー>
ビービー・カ・マクバラーは、ムガル帝国の第6代皇帝アウラングゼーブの妃ディルラース・バーヌーをしのんで17世紀に建てられた廟です。タージマハルを模して設計されていて、地元では「ミニ・タージ」と呼ばれています。 |
ムガル帝国の領土はアウラングゼーブの治世に最大となりますが、ビービー・カ・マクバラーは予算上の制約から、規模・質ともにタージマハルと比べて劣ったものとなっているため、ムガル帝国の凋落が感じられます。 |
全体が大理石で作られたタージマハルとは異なり、ビービー・カ・マクバラーは上部のみ大理石でその他は漆喰で作られています。漆喰にほどこされた植物柄の装飾は、タージマハルに勝るとも劣らないほど繊細で美しい仕上がりです。 |
<パーンチャッキー>
パーン・チャッキーは水車場の意味です。水力製粉の水車、噴水、貯水池、およびイスラム教の神学校があり、ムガル帝国第6代皇帝アウラングゼーブの導師ムザーファルの霊廟が建っています。 |
建設当時の灌漑技術の素晴らしさを示しています。10kmほど離れた丘から引いた水で水力製粉機を回し、噴水を造りました。貯水池の周囲はイスラム教の学校で、教室で涼しく勉強できるようになっています。樹齢600年に及ぶというバニヤンの木もあり、涼しい木陰を提供しています。 |
<伝統工芸の工房見学>
インドには各地に名産の織物があります。オランガバードではヒムロー織という織物が名産です。ヒムロー織は、コットンとシルクで織られていて、アジャンタ遺跡などの壁画の主に植物がメインのデザインが多いようです。 |
ヒムロー織は木綿と絹、金糸を使った美しい織り柄が特徴的です。工房を見学した後、柔らかくしっとりとした肌触りがきもちいいストールを買いました。 |
(2024.10.21撮影)
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