アブシンベル

  アブシンベルは、アスワンの南280km、ナセル湖のほとりにあります。北回帰線を越え、スーダンとの国境まであとわずかのエジプト最南端の所です。


<アブシンベル宮殿>

アブシンベル神殿は、今から約3300年前に古代エジプト新王国時代第19王朝のラメセス2世によって建設された大岩窟神殿です。ナイル河岸の岩山をくり抜いて造られ、太陽神ラーを祀る大神殿と、王妃ネフェルタリのために建造された小神殿からなります。アスワン・ハイ・ダムの建設で水没の危機に陥りますが、ユネスコの国際的救済活動により移築されるという数奇な運命を持つ遺跡でもあります。
 
 
大神殿は、幅約38m、高さ約33m。正面には高さ20mにもなるラメセス2世の座像が4体並んでいます。  
 
 
小神殿は、ラメセス2世がネフェルタリ王妃のために造った神殿です。
正面に並ぶのは4体のラメセス2世と2体のネフェルタリ王妃。 
左が大神殿、右が小神殿 
   
夜明け前に入場し、美しい日の出を堪能しました。  
   
ラメセス2世の座像が左の若い頃から順に年代別に4体も並んでいます。自分の像を4体並べるという発想は自己顕示欲の強いラメセス2世ならではです。  
   
【ポスターと絵はがきより】
神殿の内部は撮影禁止のため、ポスターと絵はがきを撮影しました。 
   
アブシンベルは、アスワンハイダムが完成すると湖水に沈む運命でしたが、1960年ユネスコはヌビアの遺跡を救うために世界的なキャンペーンを開始し。1968年にダムが完成して水没してしまう前に救出しました。アブシンベルの彫刻をいくつかの部分に切り分け、1つの断片は20トン以下にして、クレーンとトラックで200m離れた高台の神殿の再建予定地へ運び、巨大なパズルのようになった部品が組み立てられました。 
   
上空から見たアブシンベル神殿  壁には王の勇壮な戦闘場面のレリーフがぎっしり詰まっています。 
   
奥の至聖所には、神々の像に交じり神格化されたラムセス2世の座像があり、年2回(王の誕生日と王に即位した日)、太陽の光が像を照らし出す設計です。計算され尽くした建築技術に驚かせられます。

<アブシンベル音と光のショー>
アブ・シンベル神殿では夜間に音と光のショーが催されます。音楽と解説を交えてファサードがライトアップされ、さらに神秘的な光景が繰り広げられます。 
 
 
   
   
満月の空の下で「アブシンベル音と光のショー」を見に行きました。 
(2017.2.9、10撮影)